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トレード戦術 波動

エリオット波動はなぜ形成されるのか?波の発生メカニズムを市場心理から読み解く

こんにちは、元アンチエリオット波動のサバイサバイFXです。

 

エリオット波動は今では僕のトレードに欠かせないものとなっていますが、実はそんな僕も数年前はアンチエリオット波動でした。

 

「エリオット波動なんてどうとでもカウントできる」

「どこが1波でどこが3波なのかまったくわからない。どの波もどの波になりうる。」<=何もわかってない

 

そんな風に思っていたのですが、あるきっかけを境にエリオット波動関連の書籍を原著・日本語訳構わず読み漁り、今ではエリオット波動をベースにした独自の波動感を持って相場を見られるようになりました。(この話は長くなるので機会があればまた別のところで)

深く知れば知るほど、いかに昔の自分が不勉強でモノを言っていたかを思い知らされたという経緯があります。

 

前置きが長くなりましたが、今回の記事では「エリオット波動はなぜ形成されるのか?」という点について、市場心理・投資家心理の観点から解説をしたいと思います。

現在トレードでエリオット波動を使っている、使っていないに関わらず、相場の見方が変わる気づきになるかも知れません。

 

エリオット波動全体像

いつものようにエリオット波動の全体像からおさらいしていきます。

上昇トレンドを例に取ると、相場は上昇5波の推進波と下降3波の修正波によって推移していくというのがエリオット波動の根幹をなす考え方でしたね。

 

エリオット波動概念図

拡大図はこちら

 

推進波、修正波の各波ごとに、どのようなマーケット参加者がどのような心理で行動しているのかを以下で見ていくことにしましょう。

 

エリオット波動の各波の特徴と狙う場合のメリット・デメリット

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市場心理解説

解説のために、上の図に番号と対応する説明を付与しました。

こちらの図をもとに波の各ポイントでどのような市場心理が働いているのかを解説していきます。

 

拡大図はこちら

 


前提として、下降トレンドが終了し上昇トレンドが発生。上昇5波動の後修正3波で調整されるという一連の流れを取り上げます。

 

前提: 上昇トレンドにおける推進波と修正波

※説明の例としてこのケースを取り上げますが、下降波動の場合も同じです。

 

ポイント⓪

上昇トレンドが始まる前は下降トレンドが発生しており、このトレンドの様々な時点(トレンドの初期、中期、後期)でショートポジションを保有している勢力が存在します。

 

ポイント①(1波)

・長期的に捉えて割安と見た勢力の新規買い

下降トレンド真っ只中ですが、長期的なトレンドを捉えて割安と見た勢力が新規で買いを入れてきます。買いが強ければ強いほど、下降トレンド最後の高値(戻り高値)をブレイクし、エリオット波動の1波目となる可能性が高くなります。
直下に日足、週足、月足といった長期足のサポートがある場合はこうした動きが出やすいです。なぜかというと、大きな資金を動かす機関投資家は原則長期での運用を行っており、長期の時間軸の節目であればあるほどそうした大口投資家の注目する節目となりやすく注文が入りやすくなるためです。

・⓪の下降トレンドの序盤からショートを保有している勢力の利確(=買い)

同時に下降トレンドが過熱感を増し、トレンド終盤と認識したショート勢力が利確の注文を入れ始めます。これによりレートが上昇しやすくなります。

・⓪の下降トレンド終盤で乗ってきたショート勢が損切り

長く続く下降トレンドを見てトレンドの終盤にショートで参戦してきたトレーダーたちは上の二つの注文によるレートの上昇で含み損となり、損切り(=買い)を余儀なくされます。これもレートの上昇に寄与します。

初心者トレーダーはこういうところでエントリーしがちですが、まさに養分となってしまうことが読み取れるのではないでしょうか。

 

ポイント②(2波)

・①で新規買いを入れた勢力の利確(=売り)

①で新規の買いを入れた勢力が、ある程度の値幅を達成したことで利確(=売り)してきます。

・⓪の下降トレンドがまだ続いていると考える勢力の戻り売り

下降トレンドがまだ続いていると捉える勢力が戻り売りを入れてきます。

・短期逆張りショート

さらに、上の図のような大きな流れを見ずに(1)までの上昇を見て短期で逆張りの売りを入れてくる勢力もいます。

これらによってレートは下がります。

 

ポイント③(3波)

・高値切り上げ(1)と安値切り上げ(2)を確認した勢力の新規買い

高値切り上げ( 高値(1) ) と安値切り上げ(安値(2) )を確認した勢力が、下降トレンドから上昇トレンド転換すると捉えて新規の買いを入れてきます。

・高値切り上げ(1)と安値切り上げ(2)を確認した⓪のショート勢が利確(=買い)

上と同じ理由で高値切り上げ( 高値(1) ) で下降トレンドが終了したと捉えた売り勢力が利確(=買い)をしてきます。

・②の短期逆張り勢力の利確(=買い)

②で短期の逆張りショートをしていた勢力は、もともと短期で手仕舞う想定でショートをしてきているので、(2)の付近で安値更新が止まってくると決済(=買い)をしてきます。

これらによりレートは上昇します。

主に一つ目と二つ目のポイントが大きな上昇圧力となり、3波が大きく伸びていくこととなります。(長く続いた下降トレンドであればあるほどショートポジションが溜まっており、それらの決済で多くの買い注文が集中する。)

 

【エリオット波動】3波はなぜ爆発的に伸びるのか?そのメカニズムを市場心理と共に解説

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ポイント④(4波)

・一定の値幅を達成したことで③のロング勢が利確(=売り)

3波が大きく伸びる理由前述した通りですが、一定の値幅を達成したことで、トレンドの根元①、③というポイントでロングを仕込んでいた勢力が利確を入れ始めます。

・逆張りのショート勢が新規で売り

同時に、大きく上昇したということから逆張りでショートを仕掛けてくる勢力が参入します。

これらによりレートが下がります。

 

ポイント⑤(5波)

・明らかな上昇トレンドを確認した新規買い勢力の参入

3波が終了する頃になると、誰が見ても上昇トレンドが発生しているというのがわかるようになり、さらなる上昇を期待したロングトレーダーが参入してきます。(3波の発動する前というのは、まだトレンド転換するかしないかどちらの可能性もあるという場面なので、トレンド転換の予兆を察知した機敏なトレーダーのみが参加をしてくるタイミングです。)

・逆張りのショート勢の利確(=買い)

ポイント④で逆張りの売りを仕掛けた勢力がポジション手仕舞い(=買い)をしてきます。逆張りで売りを狙ってくる勢力というのは、もともと大きな値幅を期待していないので、一定の値幅の下げが出れば利確をしてきます。いつまでもポジションを保有している勢力は、逆に5波で上昇が始まってしまうと含み損=>損切りせざるを得なくなり、まさに上昇の養分となってしまいます。逆張りを仕掛ける時には、もたもたしていると踏み上げられると肝に命じておく必要があるでしょう。

・(4)波終盤で売りを入れた勢力の損切り(=買い)

こうしたトレーダーも存在することでしょう。結果はどうなるかは上で説明の通りです。

 

さて、ポイント⑤は上昇の5波目が発動するかどうか、というポイントなので、ここで5波について少し触れておきたいと思います。

5波というのは、明らかな上昇トレンドを見て新規で買い参入してくるトレーダーがいる一方で、3波という高値を背にした逆張りの売り(3波の高値に近づけば近づくほど多くなる)や、3波からの下落である4波の戻り売りを狙う勢力がせめぎ合うポイントとなります。

よって、5波が発動する前というのは保ち合い相場になりやすく、3波からの調整が長くなりやすいという特徴があります。5波を狙ったトレードが難しいのは、こうした買いと売りが激しく攻防するゾーンという特徴があるためです。

5波については以下の記事でかなり詳しく解説しています。ぜひ合わせて参考にしてください。

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ポイント⑥(A波)

・①、②、⑤のロング勢の利確(=売り)

3波をさらに超えて上昇する5波が発動すると、次第にトレンドの過熱感が相場を覆うことになります。

このトレンドの過熱感を察知して①、③、⑤からのロング勢力が利確(=売り)をしてきます。

※相場の古典であるダウ理論でもトレンドは3つの上昇フェーズからなるという理論が提唱されており、これを意識しているトレーダーが多いからこそ、3ステップでの上昇を経た5波が終わったタイミングで利確が入りやすいという側面もあるのかもしれません。

 

・逆張りのショート勢が新規で売り

一方でトレンドの過熱感を察知して、ここから下がると考えたトレーダーが新規で売りで参入してきます。

 

これらによってレートは下がります。

 

ポイント⑦(B波)

・押し目買いを狙う新規の買い

上昇トレンドはまだ継続していると信じるトレーダーが押し目買いを狙って新規で買いを入れてきます。

・⑥の逆張りショート勢力の利確(=買い)

ポイント⑥で逆張りショートを仕込んだ勢力は一定の値幅の下げを見て利確(=買い)をします。

・(5)波終盤で買いを入れてきた勢力の損切り(=売り)

ポイント②でも見た通り、高値(5)からの下げを見て下げの終盤でショートを仕込んだ勢力もいることでしょう。こうした安値掴み勢は上記の買い注文で上昇するレートに踏み上げられ損切り(=買い)を余儀なくされます。

 

ポイント⑧(C波)

・高値(5)を超えられないことを確認した①、③、⑤のロング勢が利確(=売り)

ポイント⑦の買い注文によりレートが上昇するも、高値(5)を超えられないことを確認した①、③、⑤からのロング勢は上昇トレンドの終焉を読み取り、利益確定(=売り)をしてきます。

・高値(5)を超えられないことを確認し、新規の売り勢力が参加

同時に高値(5)を超えられないことにより、下降トレンド転換を察知した勢力が新規で売りを仕掛けてきます。

・⑦の押し目買いが失敗したことによる損切り(=売り)

さらに、上昇トレンドが続くと信じて⑦で押し目買いを狙っていた勢力は高値更新できないことを確認し、ポジション手仕舞い(=売り)を余儀なくされます。

これらによりレートは一層下がりやすくなります。

 


さて、いかがでしたでしょうか。

以上がエリオット波動の裏側に存在するトレーダーたちの市場心理です。

注目はやはりポイント③の3波とポイント8のC波でしょう。

これらの場所は、それまでの(長い)トレンドで含み益を得ていた勢力の利確とトレンドが転換する可能性を察知した勢力の新規注文が重なることから大きく伸びていく波となります。

3波は伸びやすいとただ暗記するよりも、こうした裏側にある投資家の心理に着目すると一層理解が深まるのではないでしょうか。

 

 

市場心理分析=そう考えることが最も正しいと考えられる推論

答えのない問いに意味や解釈を見出す哲学の世界では、「最善の説明を導く推論」という考え方があるようです。

与えられたデータや証拠(=事実)に対して、それを最も上手く説明できる仮説を選ぶといった推論のやり方です。

 

市場心理分析も同じことです。

その時市場に参加していた人全員にインタビューするわけにもいかないので、あくまでこうやって考えることができるという推論・解釈の一つにすぎません。

(将棋の鑑賞戦のように、「なんで④でロングなんかしたんですか?」「いやー、上昇してるのを見てたらついね、、、」といった市場参加者の声を実際に聞くことができればそれはそれで面白そうです。)

ですが、上のような論理展開とチャートの実際の動き(=事実)が符合することから、上記のような心理が働いてマーケットを動かした可能性が高いと考えることができます。

こう考えるとチャートの動き(=事実)に整合するから、こう考えるのが正しい、という論法ですね。

 

今回お伝えしたかったのは、ダブルトップや三尊といった様々なフォーメーションをただ暗記するのではなく、その背後にはそれをそのように動かした人間の心理があるということを理解すれば、どのようなチャートの形になっても自分の頭で考えて、アクションが取れるようになるということです。

何より、無味乾燥なチャートが、期待、歓喜、失望、恐怖といった人間の感情のるつぼに変化し、分析するのが楽しくなると思います。

 

【エリオット波動】1波の見つけ方

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