Editor's Pick 相場分析

【米国株】過去の弱気相場(ベアマーケット)を見てみよう

こんにちは、サバイサバイFXです。

この記事では過去の米国株の弱気相場について振り返ってみたいと思います。

 

2022年5月20日の米国市場ではSP500が一時弱気相場(ベアマーケット)の領域に入るなど米国株の下落が続いています。(終値ベースではかろうじて免れる)

直近の最高値からの下落率が、60日以上に渡って20%を超えると弱気相場入りと定義されていますが、過去の弱気相場ではどの程度下落して、どの程度続いたのかを米国株の代表指数であるSP500で振り返ってみたいと思います。

 

相場においても”歴史は繰り返す”もの。
過去の値動きを見ることは、未来を見ることにつながります。

 

過去の米国株の下落率

以下のチャートは、S&P500の月足に直近高値からの下落率(赤)とその後の上昇率(青)を表示したものです。

 

snapshot

 

青の水平線が20%下落のラインなので、これを見ると一定のサイクルでベアマーケットが訪れていることがわかります。

また、赤の領域が大きいほど下落相場が長かったということを意味します。

こうして見ると、9.11やリーマンショックの時のベアマーケットは下落率もその期間も長い一方で、コロナショックの時のベアマーケットは下落率は大きかったものの、期間は極端に短かったということもわかります。

 

弱気相場はどれくらい続くのか?

ベアマーケットに関しては色々な調査機関が統計を取っています。

調査機関によって若干のデータの違いはあるものの、投資調査会社Ned Davis Researchの調査によると、1929年から2021年までベア・マーケットは26回存在。

S&P500で見てみると、下落率は平均で35.62%、中央値33.6%、継続期間は平均289日、中央値は245日となっています。

 

また、最大・最小は以下の通りです。

最大下落率: 61.8%(1931/11/9–1932/6/1)
最長期間: 630日(1973/1/11-1974/10/3)

最小下落率: 20.57%(1948/6/15–1949/6/13)
最短期間: 33日(2020/2/19/–2020/3/23) ※(コロナショック)

 

弱気相場の歴史

過去の米国株弱気相場の一覧です。

コロナショック時の弱気相場は1929年以降の弱気相場で最短だったことがわかります。

 

開始日-終了日(MM/DD/YYYY)

下落率

弱気相場日数

9/7/1929–11/13/192

-44.6 67

4/10/1930–12/16/193

-44.2 250

2/24/1931–6/2/193

-32.8 98

6/27/1931–10/5/193

-43.1 100

11/9/1931–6/1/193

-61.8 205

9/7/1932–2/27/193

-40.6 173

7/18/1933–10/21/193

-29.7 95

2/6/1934–3/14/193

-31.8 401

3/6/1937–3/31/193

-54.5 390

11/9/1938–4/8/193

-26.1 150

10/25/1939–6/10/194

-31.9 229

11/9/1940–4/28/194

-34.4 535

5/29/1946–5/17/194

-28.7 353

6/15/1948–6/13/194

-20.5 363

8/2/1956–10/22/195

-21.6 446

12/12/1961–6/26/196

-27.9 196

2/9/1966–10/7/196

-22.1 240

11/29/1968–5/26/197

-36.0 543

1/11/1973–10/3/197

-48.2 630

11/28/1980–8/12/198

-27.1 622

8/25/1987–12/4/198

-33.5 101

3/24/2000–9/21/200

-36.7 546

1/4/2002–10/9/200

-33.7 278

10/9/2007–11/20/200

-51.9 408

1/6/2009–3/9/200

-27.6 62

2/19/2020–3/23/202

-33.9 33

平均

-35.6 28

出典: https://www.hartfordfunds.com/practice-management/client-conversations/bear-markets.html

 

 

現在の米国株状況

現在のSP500の状況を見てみると、最高値をつけた2022年1月3日週から133日経過、終値ベースでの下落率は19%という状況です。(下記チャート参照)

 

snapshot

 

もちろん、相場ですからどうなるかはわかりません。

これからベアマーケット入りするとしても、コロナショックの時のように短期でリカバリーする可能性もありますし、リーマンショック級の規模になる可能性もあります。

ただ、過去の弱気相場ではこのように動いたこともある、ということを知っているのと知らないのでは、これから起こることに対する心構えが変わってくるのではないでしょうか。

過去のデータと比較するとまだまだ下落する可能性と下落期間が続く可能性を見ておくことは十分に価値があると言えるでしょう。

 



この記事はTradingViewでエディターズピックに選ばれたアイデアを記事化したものです。

参考になったという方はTradingViewで高評価(以下リンク)をしていただくと、皆さんにとってどのような記事が参考になるのか次回の執筆内容の参考となります。

 

 

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