メンタル

【ポジポジ病】トレード回数が多いと勝てない科学的理由と克服方法4選

こんにちは、サバイサバイFXです。

この記事ではポジポジ病やトレード回数が多いと負けやすい理由について科学的知見を紹介するとともに、その克服方法について解説したいと思います。

 

トレード回数が増えれば増えるほどなぜかトントンやマイナスになってしまうという方いませんでしょうか。

実はこれには人間の意思決定に関するメカニズムが関係している可能性があります。

今回はトレード回数が多いと負けやすい理由について、科学的な研究を紹介しながらその対策を紹介していきます。

 

ポジポジ病はもちろんですが、ポジポジ病とまで行かないにしてもトレード回数が多くなってくると何故か負けやすいと悩んでいる方、これを知らないと資金の増えない無駄なトレードを繰り返して時間もお金も浪費する可能性がありますので、ぜひ記事を最後までご覧ください。

 

こんな方に

ポジポジ病が治らなくて困っている

トレード回数が多くなってくると何故か負けやすいと悩んでいる方

 

動画での説明はこちらから👇

 

 

ポジポジ病とは?

ポジポジ病とは、1日や1週間などの一定期間の間に頻繁にトレードを繰り返してしまう(=ポジションを取ってしまう)現象のことです。

頻繁にトレードしても勝てていて資金が増えていれば問題ないのですが、ポジポジ病に陥ってしまうと頻繁にトレードを行う一方で、勝てない、資金を減らしてしまう状態に陥るのが一般的です。

 

 

ポジポジはなぜ負けるのか?

ではなぜポジポジ病は負けやすいのか?という点ですが、これは決断疲れが原因の一つである可能性があります。

 

 

決断疲れとは

決断疲れとは、意思決定を長時間繰り返した後に個人の決定の質が低下する現象のことです。

では決断疲れに陥るとどんな弊害?があるのでしょうか。

 

決断疲れは不合理な意思決定をしてしまう原因の1つとして理解されています。

 

面白い研究結果があったので紹介します。

 

裁判官の判決と決断疲れ

例えばアメリカのスタンフォード大学とイスラエルのベングリオン大学が行った裁判官の判決に及ぼす影響要因についての共同研究では、裁判官が下した判決について、午後の裁判では日中早いうちに比べて好意的な判決が少なくなることが示されています。

 

アメリカのニューヨーク・タイムズの記事でこの研究結果が紹介されていますので、要約して紹介します。

 

イスラエルの裁判所での出来事です。

3人の受刑者がいました。 彼らはすでに3分の2の刑期を終えていて仮釈放の審査が行われていました。

3人のプロフィールはこんな感じです。

 

受刑者A: 終了刑期30ヶ月 詐欺罪  審議時間:朝

受刑者B: 終了刑期16ヶ月 暴行罪  審議時間:昼

受刑者C: 終了刑期30ヶ月 詐欺罪 審議時間:夕方

 

さて、皆さんはこの中で誰が仮釈放される可能性が高いと思いますか?

 

今回の研究は1100を超える事例を集めておこなわれ そのうち3分の1が仮釈放を認められたのですが、仮釈放が認められる確率は1日を通してばらつきがありました。

早朝に仮釈放審査をされた囚人は70%の確率で仮釈放が認められ, 午後の遅くの場合は10%以下になったのです。

この調査に従って先程の3人の例を見てみると、最初の受刑者が仮釈放を認められる可能性が高いということになります。

 

この研究では、司法判断が、法的判断には関係ないはずの無関係な変数によって左右される可能性があると結論づけています。

また、研究者たちはこの結果を精神的消耗というレンズを通して解釈しているとも述べています。

つまり、決定疲れが裁判官の判断に何らかの影響を及ぼしているのではという仮説を提示しているということです。
(注釈、研究者たちは裁判官の精神的リソースを直接測定しているわけではないので、精神状態に経時的な変化があるかどうかを評価することはできないと記されています。)

 

決断疲れの弊害

決定疲れに陥ってしまうと、自分では疲れていないと思っていても精神的なエネルギーはすでに枯渇している状態になっている。

1日を通じてより多くの意思決定をすればするほど、一つ一つの決定は僕たちの脳にとっては困難なものになり、最終的には短期的な解決策や、次の二つの方法を求める傾向にあるそうです。

二つの方法とは、一つ目は衝動的な行動や決断を下しがちということ(ポジポジ)、 そして二つ目は決断することから逃げ、どんな選択も避けるということです。

目の間に決断しないといけないことが迫っているのに決断を回避することは、長期的には大きな問題を引き起こすことが多いですが、当面は精神的な負担を軽減することができますよね。

裁判官というと、冷静で常に法律と事実のみに基づいて司法的判断を下しているというイメージを持っていると思いますが、 そうした裁判官の方々でさえ、こうした決定疲れの影響が考えられるっていうのは非常に興味深いです。

 

 

人は一日35000回の意思決定をしている

コーネル大学の調査では平均的な成人は一日35000の意思決定、食事だけで226.7回の意思決定をしているそうです。

スーパーに行って何を買おうか決めたり、レストランでどのメニューを頼むか決めたり、仕事に来ていく服、朝の通勤でプラットフォームのどこから乗るかだったり、会議の決断など諸々を含めてこの数字ということですね。

 

こちらは皆さんご存知のスティーブ・ジョブズ氏。

 

 

スティーブ・ジョブズ氏というと黒のタートルネックにジーンズという出立ちのイメージがありますが、毎日同じ服を着ているのは、服選びに時間と頭を使うのではなく、もっと重要な問題の意思決定に自信のエネルギーを使いたいとインタビューで答えています。

 

Meta社のCEO マークザッカーバーグ氏も、いつも同じような服装をしているのは服選びにエネルギーを使いたくないと言ったような発言をされています。

 

 

 

これらも決定疲れを防ぐための取り組みですよね。

実はここに後ほど説明するポジポジ克服の秘訣が隠されています。

 

決断疲れは販売戦略にも利用されている

決定疲れの別の例として、消費者に本来必要でないモノを購入させるなどの粗末な選択をさせるということが挙げられます。

 

皆さんがスーパーに買い物をいった時のことを思い浮かべてください。

レジの横にチョコレートとかキャンディーとかのラックが置いてあるのを見かけませんか?

 

実はこれも意思決定疲労を利用した販売戦略なんです。

買い物客というのは、レジに到着するまでにいろいろなものを購入し散々意思決定をして疲れています。

レジに着く頃には思考を消耗し、判断力が落ちてきたところでキャンディーやポテトチップスやチョコレートのようなものを見かけ、つい買ってしまう。冷静に考えれば必要でないにもかかわらず、です。

皆さん経験ありませんか?

 

 

トレードと決断疲れの例

ここまで見てきた例をもとにトレードと決定疲れについて考えてみましょう。

 

1.1日中トレードしてる

朝から晩までトレードしてる。夕方から夜になると頭が回らない、成績が落ちるなんていう方はいませんでしょうか?

トレードというのも意思決定。それも自分が必死に働いて貯めたお金をリスクに晒すというとても感情的で、精神的負担の大きい意思決定です。

そんなトレードを1日何回も繰り返していたら疲弊して判断力が落ちるのも納得できるのではないでしょうか?

後から振り返ってみたらなんでこんなところでトレードしたんだろうっていう経験、皆さんありませんか?

 

2.多くの銘柄や商品、通貨ペアを見ている

多くの銘柄、商品、通貨ペアを見たり、いろいろな時間軸のチャートを切り替えながら見てトレードするかどうかの判断を繰り返しているうちに思考が消耗し、判断力の鈍ったところでついついポジションを持ってしまうっていうのも今回紹介した決定疲れそのものかなと思います。

今日はドルも、ユーロもポンドも動かないなぁ、じゃあカナダドルを見てみるか、おっここにダブルボトムができてるじゃないか。

そう思ったら最後、Wボトムが光り輝いて見え、他のことは目に入りません。気づいた時にはマウスのボタンをクリックしています。

大体そういう時って環境認識が疎かになりがちで、ポジション取ったら目の前に大きなサポートラインとか、上位足の節目の価格なんかが控えていて自滅したとかになりがちです。

 

 

ポジポジ病を克服するための4つの対策

それではここからは、これまでの内容をもとにポジポジ病を克服するための方法について解説をしていきたいと思います。

ここまでの内容で、決定疲れに陥ってしまうと判断力が鈍る、ポジポジ病にもなりやすいということがわかっていただけたかと思います。

 

今回4つの対策を紹介しますが、共通しているのはルールを決めること

ルールを決めるということは余計な意識決定を避けることにつながりますので、決定疲れになるのを防ぐということにもなります。

それでは見ていきましょう。

 

 

1.取引する銘柄や商品を絞る・固定する

取引する銘柄や商品、通貨ペアを増やせば増やすほど、当然ですが環境認識を行う必要があります。

環境認識も当然意思決定の連続です。

目線付けや、トレンドの認識、サポートやレジスタンス、これらをさらにマルチタイムフレームで行う必要があります。

監視対象の銘柄が多ければ多いほど、取引頻度が多ければ多いほどこれらの作業と意思決定が増え、決断疲れにつながる可能性が高くなります。

 

先程のジョブズ氏の例を思い出してください。今日何を着るかってところに頭を使いたくないから同じ服を着ているわけですよね。

であれば取引する銘柄についても固定してしまえばいいんです。

今日は何をトレードしようかななんて毎日銘柄変えている人いませんか?

先ほども紹介しましたが、今日はドルもユーロもポンドも動かないか、じゃあニュージーランド見てみるかといったように普段触らないのに暇になると他の銘柄を漁ってしまう人は要注意です。

デイトレはこの銘柄しかやらない、スイングはこれといったように取引スタイルごとに取引商品を決めるというのも良いと思います。これは僕自身も実践している方法です。

 

2.取引する時間帯を限定する

東京時間のオープンから午前マーケットだけだけ、欧州時間だけ。これを決めることでダラダラとチャート監視し続けて、いらない意思決定を避けることができる

相場が動く時間って大体決まっていますよね。

東京市場であればオープンから株式市場の昼休みまで。午後は比較的静かな動きが多いです。

また欧州時間も本格的に動くのはロンドン市場がオープンしてから。ニューヨークについては、為替と株式で2回オープンがありますから、そういったよく動く時間帯に絞ってトレードするというのが良い方法だと思います。

 

3.トレード回数を決める

デイトレなら1日1,2回、スイングトレードなら1つの銘柄につき週1回ここぞというところだけポジションを取るといったように、トレード回数を決めてしまうというのも有効な対策です。

僕はデイトレードをするときというのは1日2回までと決めています。

最初のトレードで勝てばその日は終了です。負けても2回目やらないことも多いです。2連敗したらそこで終了です。完全打ち切りです。

ここぞというところで勝負をし、安定的に利益を出せるようになることで自信がつき、徐々に取引サイズを大きくして口座を成長させることができる。

これが王道だと思っています。

 

 

4.朝に環境認識とトレード計画を完了する

これまで説明してきたように、決断疲れというのは多くの意思決定を積み重ねることで発生します。

そうであれば、1日の中で最も意思決定の蓄積が少ない時間帯である朝に環境認識とトレード計画の策定を終わらせてしまって、こうなったらポジションを持つところまで決めてしまいます。

例えば兼業でスイングトレードをしている方、毎朝少しだけ早く起きて、仕事に行く前に環境認識とこうなったらポジションを持つというところまで計画してしまう。

日中に実際にそうなったらエントリー。

朝の時点でセットアップが完了しているのであれば、指値と逆指値をセットしておくでも良いですね。

デイトレの場合だったら、前日の安値付近まで下がってきたらその辺りで押し目形成の動きが出るかを確認、下げ止まったのが見えたらロングする、といった具合に、朝大まかなプランを立ててしまう。日中はそのプラン通りに実行する

こうすれば日中や夜になって決断疲れの状態で判断ミスをする確率を下げることにもつながります。

 

ルールを決めるということは毎日毎日やることが決まっているので、無駄な意思決定を省くことに繋がりますよね。

 

 

僕が使っているチャートツールTradingviewはこちら



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