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【エリオット波動】 ドル円の長期エリオット波動をマジで分析 / 円の過去50年の歴史を振り返る

コラムと題して様々な金融商品·銘柄の長期エリオット波動分析を投稿している波動分析シリーズ。
これまで色々な金融商品を取り上げてきましたが、為替の中で我らがドル円を取り上げないわけにはいかないだろうということで、今回はドル円の長期エリオット波動を考察しながら過去50年間の円の動きを振り返ってみたいと思います。

ドル円のようなレンジ通貨にエリオット波動があるのか?と思う方もいるかもしれませんが、ドル円が比較的限られた範囲での動きになったのはここ数年の話。
長い時間軸で見れば、現在は大きな流れの中の保ちあいのフェーズと見ることもできます。
また、裏で売買しているのが人間(人間がチューニングしているAIも)である以上、人間の心理·行動がチャートにうねりとなって現れるものです。

今回は50年スパン、20年スパンの月足をベースに見ていきます。

 

月足(マクロ)
こちらは月足を過去50年スパンで捉えたチャートです。

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長期スパンでの動きを振り返った時に一番目立つのはやはり1985年プラザ合意以降の円高の進行でしょう。
当時ドル高·貿易赤字に苦しんでいた米国の呼びかけにより、先進5カ国間で発表されたドル安に向けた各国協調為替介入の合意です。
これにより、プラザ合意前は1ドル240円だったドル円レートは1988年年初には1ドル120円まで円高が進行しました。
同時に円高進行によって打撃を受けた輸出産業救済のために、日銀は公定歩合を引き下げ。
金融市場では円高に伴って海外投資資産に為替差損が発生したため、多くの運用資金は為替リスクのない国内市場(株式·不動産など)へ向かい、結果としてバブル景気を発生させたと言われています。
1990年代にバブルが崩壊した後も、土地や株式の売却による財政健全化が必要になり、多くの海外資産も売却せざるを得ず、結果として海外資産を円に戻す作業(=円買い)が続き、1995年に底を打つまで円高が進むこととなりました。
その後20世紀末に140円台を回復するまでドル円は上昇するものの、21世紀に入ってからは140円を下回る水準で推移しています。

 

<エリオット波動の観点①>
大きな流れを捉えると、チャート中央のブルーの垂直線(75円水準)を境にトレンドが変わっていることがわかると思います。
垂直線よりも左側は下降トレンド。右側はトレンドレスで持合い相場のように見えます。
チャートの左側では大きな塊での3段下げが見て取れるため、75円水準を底とする下降5波(ブラック(Ⅰ)~(Ⅴ))をプロット。
(Ⅴ)波終点からは高値を切り上げ、その後は現在に至るまで横ばい調整が継続していることから、現在はブラック(Ⅰ)~(Ⅴ)の5波に対する調整波(a)~(c)の(b)波を形成している段階と捉えています。

(Ⅰ)波の始点である1975年頃から現在まで約50年の期間です。
エリオット波動理論では約50年スパンの波動サイクルであるスーパーサイクルという考え方が提唱されていますが、現在は1975年頃から始まる50年規模のサイクルの中にあるのではと見ています。
チャートの横軸に着目してみると、Ⅰ波の視点を仮に1976年とすると、現在はⅠーⅤ波のフィボナッチ1.272の水準にあります。
次の目安である1.414がちょうど2026年。この頃には現在の想定ベースでもFRBのゼロ金利政策は終了=つまり利上げが始まっている可能性があるので、(c)波の終了は2025-2026年あたりになるのかもしれません。

 

月足(ミクロ)
直近20年の月足に主要経済イベント・経済危機をプロットしたチャートです。

月足(ミクロ)①

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2000年以降の動きにフォーカスして月足の動き振り返ってみます。

90年代から2000年初頭のドットコムバブルではIT関連企業への投資が活発になり、株式相場は異常な熱気を持って上昇。
しかしFRBが利上げに踏み切ると株価は急速に崩壊し2001年にはバブルは完全に崩壊したと言われています。
当時のドル円の動きを振り返ると、ドットコムバブルのピークから途中9.11を挟み2002年1月に135円台を記録するまで上昇を続けます。
この間はFRBの利上げ期間であると同時に、株価下落に伴うリスクオフから逃避先としてのドル買いが一層進んだものと思われます。

以下のチャートはドルインデックスの動きをドル円のチャートに重ねたものですが、実際にドルは上昇しています。(月足(ミクロ)②)(円インデックスについては当時のデータがないため未確認。)

 

月足(ミクロ)②

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2002年に入ってからは9.11同時多発テロを受けた米国がテロとの戦いを国家戦略に定め、2003年にはイラク戦争を開始。
ドル円は2005年1月につけた101円台まで円高が進行します。
ドルには「有事のドル買い」という言葉に表されるように、経済危機や地政学的リスクに伴うリスクオフ時の逃避資産として買われるという側面もありますが、9.11ではその米国が有事の標的となったことで、ドルが売られ円がより買われる事になったと見られています。
実際にドルインデックスは9.11以降下落の一途をたどっています。(月足(ミクロ)②)

この辺りはドルの過去20年間の動きを振り返った投稿でも言及していますので、関心のある方は合わせて確認してみてください。

【コラム】ドルインデックスの長期エリオット波動で過去20年間のドルの動きを振り返る

株価指数やコモディティ、仮想通貨、為替と今まで様々な金融資産のチャートのエリオット波動分析を投稿してきましたが、今回は米ドル単体の強弱を測るドルインデックスの長期エリオット波動を分析すると ...

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さて、2004年以降は再びFRBの利上げ期間だったこともあり、ドル円レートは2007年6月に124円台を記録するまで上昇。
その後戻り売られるように再び下落を開始し、2008年のリーマンショックを経て2011年11月に75円台を記録するまで急激な円高が進みます。

以下のチャートはドル円チャートにドルインデックス(水色)と、米国10年国債利回り(オレンジ)、円インデックス(赤)を重ねたものです。
ドルに関しては、リーマンショック直後は上昇しているものの、直後にFRBが導入した量的緩和政策によりドルは下落。
一方の円インデックスはリーマンショック直後から急上昇。
完全なドル安円高相場と言えるでしょう。(月足(ミクロ)③)

 

月足(ミクロ)③

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2012年に入ると第2次安倍政権によるアベノミクス経済がスタート。
日銀の量的金融緩和政策も導入され、一転して円安が進みます。
米国では2013年5月に当時のFRBバーナンキ議長が突如リーマンショック後の量的緩和政策の終了を発表。
日本側では円安誘導政策が取られる一方で、米国側は金融引き締めへと向かう動きが重なり、ドル円相場は2015年6月に125円台を記録するまで急上昇しました。(月足(ミクロ)③)

 

2016年1月には日銀黒田総裁がマイナス金利付き量的緩和導入を発表。
これを受けてドル円は再び下落を始め、2016年6月には98円台を記録するまで円高が進みます。

円高になった背景として一般的には、
・マイナス金利政策は金融機関(特に銀行)の収益を犠牲にして緩和効果を得るもの
=>銀行の収益悪化懸念材料
=>銀行株の株価押し下げ要因(日本株全体の上昇の重し)
=>株価下落に伴うリスクオフの円買い
という因果関係が考えられています。

日本株の個別株投資をされている方は銀行株の2016年1月以降のチャートを見てみると参考になるでしょう。
概ね右肩下がりになっているはずです。

それ以外にも、中国経済の失速懸念や原油安により全体的にリスクオフムードであったこと(円高要因)、米経済指標がさえないことでFRBの利上げ観測が後退してドル安圧力となったことも要因として捉えられています。(月足(ミクロ)③)

その後は現在に至るまで5年間ほど100円から118円の間で横ばいの動きが続いています。
現在、市場参加者の間ではFRBのテーパリング発表や利上げ時期が注目されるところとなっています。これらの動きによって現在の膠着状況から抜け出して長期時間軸での大きな動きが出て行くのかどうかに注目したいところです。


<エリオット波動の観点②>

2000年以降の動きをエリオット波動の観点から追ってみます。

前述の通り、現在は50年スパンのサイクルの波動における調整波(a)~(c)を形成中と記載しました。
その付近の様子を以下のチャートに示します。

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リーマンショックでつけた最安値からのアベノミクス相場による上昇波を(a)波。そこからは高値と安値が三角形に収束しながら保ち合い相場を形成していることから、調整(b)波と捉えています。
(b)波に関してはすでに5波以上の副次波が見られることから、複合修正波の可能性を見ており、現在は二つ目の修正波の最中(トライアングルもしくはフラットと想定)と考えています。

今回の波動の仮説に基づくと、今後の波動の動きは(c)波発動による上方向が考えられます。
そしてその推進材になるものがあるとすればFRBによるテーパリング実施や利上げ実施であることは間違いないでしょう。

米国の金融政策が引き締め方向に向かうことでドル高方向への動きが加速して行くのであれば、過去5年に渡って続いている膠着状態をブレイクし、長期的(FRBの利上げ完了後も含めて)には前回リーマンショック後のテーパリングでつけた2015年6月の高値: 125.60水準近くまで上昇する波動が生まれる可能性もあるのではと見ています。

 

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