Tradingview インジケーター トレード戦術

【ダウ理論】目線付けの二つの方法とTradingView用目線可視化インジケーター

こんにちは、サバイサバイFXです。

この記事ではダウ理論の目線付けの二つの方法を解説するとともに、オンラインチャートプラットフォームであるTradingViewで僕が開発したオリジナルインジケーター「Dow Theory Trend Direction Visualizer」の紹介をしたいと思います。

このインジケーターは記事のタイトルが示す通り、ダウ理論に従った目線付けを、上位足含めて色で可視化することのできるツールです。

 

 

 

 

記事後半には解説動画も載せています。記事と動画は以下のように目的に応じて使い分けながらご確認下さい。

 

記事と動画それぞれのポイント

<記事>

・ダウ理論における目線付けの二つの方法の詳細を確認

・インジケーターの全機能詳細解説

<動画> こちらから動画へジャンプ

・ダウ理論のトレードへの活用方法をイメージで確認

・インジケーターの機能概要と動作イメージを確認

 

アップデート:

  • 2022/02/11   トレンド確定シグナルを追加
  • 2022/09/05 上位足のHH/LH/HL/LLの履歴ライン表示オプションを追加
  • 2022/10/04 上位足のHH/LH/HL/LLの履歴ラインの線種を変更
  • 2022/10/14
    • 目線・トレンド可視化機能の背景色表現方法変更
    • 月足選択時の上位足として年足を追加
  • 2022/12/28
    • 上位足の目線・トレンド可視化機能を追加
  • 2023/5/3
    • Strong High/Strong Low(ストロングハイ/ロー)の表示オプションを追加
  • 2023/7/21
    • 目線可視化機能にDynamicモード、Confirmationモード、二つのモードを追加
    • 上位足と下位足の目線が揃ったタイミングでシグナル・アラートを設定可能

 

 

目次

背景と開発のきっかけ

トレードを習得する過程で多くの人が苦手とする「目線付け」。

 

「今は上目線?それとも下目線?」

「どのラインを割ったら目線が変わるのか判断がつかない。」

「チャートの時間軸を切り替えるたびに目線がごちゃごちゃになる。」

こういう課題や悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。

 

チャートが刻一刻と変化するのに合わせて、ダウ理論に基づいて上目線か下目線かを教えてくれるツールを作れないか?

もしそうしたツールがあれば、使っているうちに目線付けの訓練をすることもできるのではないか?

こうした思いがこのインジケーター開発のきっかけとなりました。

 

さて、ダウ理論をベースにした目線の判断には大きく二つの捉え方があると僕は考えています。

一つ目は日本人トレーダーにも有名な押し安値・戻り高値をベースに目線付けをする方法。そしてもう一つは高値・安値の切り上げ・切り下げ状況をベースに目線を捉える方法です。(Higher High/Lower High/Higher Low/Lower Lowをベースに捉える)

この記事ではまずこれら二つの方法を紹介した後に、インジケーターがどちらの方法で目線付けを可視化してくれるのか、その機能を解説していきます。

 

 

 

目線とはそもそも何か?

目線判断の二つの方法を紹介する前に目線とは何かということを定義したいと思います。

僕が知る限りダウ理論の海外の文献やトレーダーの解説を読んでみても、日本語で言う”目線”に該当する言葉はありません。

ダウ理論の原則にある、「トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する」を元にした様々な解釈が存在するのみです。

したがって、ここでの目線の定義は僕個人の定義です。

 

さて、その目線について僕自身は、

「売り買いの優劣が切り替わるライン」

と捉えています。

 

マーケットというのは市場参加者全体の総意で動きます。

全体として買いが優勢ならば上がっていきますし、売りが優勢ならば下がっていきます。

このラインを超えるまでは上目線というのは、そのラインを超えるまで市場参加者全体の総意として買いが優勢である(と判断できるライン)、という意味です。

上目線の時は売りを狙ってはいけないという事ではありません。買い狙い、売り狙いというのはあくまで個人の戦略の話なので、目線が上だろうが下だろうが、そこに優位性を見出すことができるのであれば目線に関係なく売り買いどちらを狙ってもいいのです。ここはごっちゃにしないように注意してください。

 

目線付けの二つの方法

ここからは冒頭述べた目線付けの二つの方法を解説します。

 

1.押し安値・戻り高値を元に目線判断

一つ目の方法は押し安値・戻り高値を元に目線付けを行う方法です。

 

概念図

(クリックして別画面表示)

 

上の概念図を見てください。

青の水平線が押し安値ラインです。ここを割るまでは上目線なので、上目線のエリアは緑のボックスで示すことができます。

一方で押し安値ラインをブレイクした後は赤のボックスが示す通り下目線のエリアとなります。

日本でダウ理論をベースにした目線付けというと圧倒的にこのケースが多いので、馴染みのある方も多いと思います。

※戻り高値の場合は上記と反対になるだけなのでここでは説明を割愛します。

 

押し安値・戻り高値がよく分からないという方は、この記事の説明を理解するのはなかなか難しいと思うので、以下の記事を合わせて読んでみてください。

【ダウ理論】押し安値・戻り高値を客観的に見つけるたった一つの方法

こんにちは、サバイサバイFXです。 今回の記事ではダウ理論の重要な考え方の一つである押し安値と戻り高値をどのように見つけたら良いのか、客観的に判断する方法について解説します。 僕自身もダウ理論を学ぶ中 ...

続きを見る

 

2.高値更新・安値更新の状況で判断

二つ目の方法は高値・安値の更新状況を元に目線を切り替える方法です。

 

概念図

 

 

方法1との違いは、①の時点で目線が上目線から下目線に切り替わっていることです。

①のポイントは高値更新が失敗した点です。つまり今まで続いてきた高値切り上げ・安値切り上げという上昇トレンドの条件が崩れたポイントであるため、①の時点で少なくとも上昇トレンドは終了。ここからは横ばい調整に入るか、下降トレンドに転換すると考えて下目線で臨んでくるトレーダーがいるということです。

ちなみに②のポイントまで来ると、高値切り下げに加え安値も切り下げたことになり完全な下降トレンドです。

さらに下目線の市場参加者が増えて来るポイントと考えることができます。

 

僕個人の印象としては、欧米のトレーダーのトレンドの把握は2が多いという印象です。

僕自身ダウ理論の英語の文献もいくつか読んでいますが、ダウ理論そのものはトレンドを捉えるための大まかなガイドラインを示しているに過ぎなく、そこからトレンドの継続や転換を見極めるための、世界中の投資家/トレーダーによる様々な解釈が生まれているといった状況です。

文献の中には、純粋主義者はトレンド転換をこう解釈するとか、他の流派はこう捉えるなど様々な見方があって面白いです。この辺りの話はまた別途このブログなどで紹介できればと思っています。

 

いずれにせよ僕ら個人投資家・トレーダーが知っておかないといけないのは、自分はこう見ているからそうなるはずだ/だろうと決めつけることなく、世界中の市場参加者の中には他の方法で目線付けをしている人たちがいるということを知り、その人たちの視点でもチャートを見る多角的かつ客観的な視点を養うことです。

 

ちなみに僕自身は1の方法を基本として、2の方法も併用する形で目線付けを行っています。

実際のチャートの動きという観点では、方法2の概念図のように押し安値を割る前から下降トレンドが始まるケースも、方法1の概念図のように押し安値をブレイクしてから下降トレンドが始まるケースもあるので、そのこと自体が世の中には上記二つの方法の目線付けを行なっている人々がいることの証左と考えることもできますね。

 

ここからは上記の解説をもとに目線を可視化するインジケーターについて詳しく解説をしていきます。

 

 

相場観養成ツールとしてのインジケーター

冒頭でもお伝えした通り、このインジケーターは"使っているうちに相場観を身につけられる相場観養成ツール"をコンセプトとして開発しています。

 

このコンセプトに則り、

①ユーザーの相場観養成を支援する、目線・トレンドの色彩可視化機能

②"合気道"のように相場の力を借りた勝ちやすいポイントまで「待てる仕組み」

を搭載した、ユーザーの相場分析スキル養成を支援するインジケーターです。

 

相場の原理原則をチャートに可視化するインジケーターですので、目線付けの訓練だけでなく普段のトレードにも使えます。

 

 

以上を踏まえて以下ではインジケーターの詳しい機能を解説していきます。

 

 

インジケーターの機能

今回紹介するインジケーターは上記2の方法での目線付けを色で可視化します。

より早いタイミングで相場の流れの変化を捉えられること、方法1と併用することで汎用性が高いことがメリットです。

 

 

搭載している機能は以下の通りです。

 

機能

  • Higher High/Lower High/Higher Low/Lower Low(HH/LH/HL/LL)の表示
  • 上位足のHH/LH/HL/LLの表示(MTF機能) (2022/09/5 アップデート: 下記参照)
  • 目線の方向を色で可視化
  • HH/LH/HL/LLのブレイクシグナル
  • トレンド確定シグナル(新規追加)
  • アラート設定

 

以下一つ一つ詳細を解説します。

 

Higher High/Lower High/Higher Low/Lower Low(HH/LH/HL/LL)の表示

Higher High/Lower High/Higher Low/Lower Lowとは何か?

前述の方法2では高値・安値の更新状況から目線付けをする方法を紹介しました。

この方法に則って目線付けをするための目安となる高値・安値がHH/LH/HL/LLです。

馴染みのない方も多いと思いますので、定義を記載します。

 

Higher High(HH) / ハイアーハイ

切り上がった高値を意味します。当インジケーターでは一つ前の高値(HH/LH)から切り上がった場合にHHとしています。

 

Lower High(LH) / ロワーハイ

切り下がった高値を意味します。Lower Highなのでより低い方の高値という意味です。当インジケーターでは一つ前の高値(HH/LH)から切り下がった場合にLHとしています。

 

Higher Low(HL) / ハイアーロウ

切り上がった安値を意味します。Higher Lowなのでより高い方の安値という意味です。当インジケーターでは一つ前の安値(HL/LL)から切り上がった場合にHLとしています。

 

Lower Low(LL) / ロワーロウ

切り下がった安値を意味します。当インジケーターでは一つ前の安値(HL/LL)から切り下がった場合にLLとしています。

 

これらの高値・安値を表示することで高値・安値の切り上げ/切り下げが追っかけやすくなり、トレンドの継続や転換もわかりやすくなると思います。

 

サンプルチャート

 

HH/LH/HL/LLのラベルは非表示化して以下のようにドットのみで表示することも可能です。

 

 

上位足のHigher High/Lower High/Higher Low/Lower Lowの表示(MTF機能)

目線付けを行うときに重要となるのが、上位足の目線を常に持つことです。

現在時間軸で上目線であっても、上位足では下目線という状況は珍しくありません。むしろ上位足と下位足で目線が一致するケースの方が稀です。仮に、下位足で上目線であっても上位足で下目線という状況下では、一定の値幅の上昇の後に上位足の状況を元に売りを仕掛けてくる勢力の売り圧力に負けて反落、下降トレンド転換する可能性も十分にあります。

常に上位足の目線とともに現在時間軸の目線付けをしていく必要があるのです。

この判断を支援することを目的として、インジケーターでは上位足のHH/LH/HL/LLを表示します。

上位足のHH/LH/HL/LLはサポートライン/レジスタンスラインとして機能するので、価格がそのライン付近に来たらトレンド転換に備え、ポジションを手仕舞う、縮小するといった判断に活用できるでしょう。

 

サンプルチャート (AUDJPY 4H に日足のHH/LH/HL/LL を表示)

上のチャートはAUDJPY の4時間足に日足のHH/LH/HL/LL を表示したチャートです。

このチャートでは二つの異なるタイムフレームの高値・安値更新状況を一度に把握することができます。

4Hでは高値の切り上げが発生(HH->HH)しているため、安値を更新しなければ上昇トレンド確定です。一方日足でも安値がLLからHLへ(赤の矢印)、高値がLHからHHへと切り上がり(緑の矢印)、上昇トレンドであることがわかります。

また、この場面では上位足のHHがレジスタンスとして機能する可能性も予測できます。

 

 

履歴ライン表示

上のセクションでは上位足の最新のHH/LH/HL/LLを表示する機能を説明しましたが、こちらは上位足の過去のHH/LH/HL/LLの推移をライン表示できるオプションです。

 

上位足のHH/LH/HL/LLの履歴ラインの用途は以下の二つです。

 

①マルチタイムフレーム分析

上位足のHH/LH/HL/LLの履歴ラインを表示させたチャートを以下に記載します。

 

サンプルチャート(EURAUD 1Hに4時間足のHH/LH/HL/LLを表示)

 

チャートには以下の水平線が表示されています。

青の水平線: 4HのHH
赤の水平線: 4HのHL
緑の水平線: 4HのLH
紫の水平線: 4HのLL

これらは4時間足の高値・安値の推移であるため、上位足である4時間足ではチャートに示したパープルの波が推進中であることがわかります。

 

チャート右下の部分に注目してください。チャートに降った番号で説明すると、

1. 4Hの安値が切り上がっていることを確認(4H HL=>4H HL)

2. 続いて1Hの安値が切り上がっていることを確認(LL=>HL)

1、2によって上位足である4Hの安値が切り上がり、1時間足でも安値の切り上がりが確認できたので、パープルの波で示した4時間足の波の動きを狙って3のポイントでロングを狙うといった判断が可能になります。

このように、一枚のチャートで上位足の高値・安値の推移状況を見ながら現在の相場状況の判断に活用することが可能です。(上位足を見ないで良いということではありません。)

 

マルチタイムフレーム分析も目線付け同様に苦手とする人が多いですが、トレードの根幹と言って良い重要な分析方法ですので、その習得のために活用できる機能です。

 

 

②サポート/レジスタンス

上位足のHH/LH/HL/LLはレートがその水準まで戻ってきたときにサポート/レジスタンスとして意識されることがよくあります。

このオプションを有効にすると、インジケーターは過去の上位足のHH/LH/HL/LLの履歴をラインとして表示することができるため、トレンドが転換する可能性のあるエリアを把握することができます。

履歴ラインを表示するローソク足をどこまで遡るかは指定可能です。(例えば直近20本のローソク足にだけ履歴ラインを表示したいなど)

 

サンプルチャート(クリックして拡大表示)

snapshot

この例では過去の日足LH(グリーンのライン)がレジスタンスとなって、また日足の過去のLL(パープルライン)がサポートとなって4時間足のトレンド転換のポイントとなっていることが確認できます。

 

 

二つのモードで上位足の時間軸を決定

上位足時間軸の選択にはManualモードとAutoモードの二つが用意されています。

Manualモードの場合は自分で選択した上位足時間軸のHH/LH/HL/LLが常に表示される一方、Autoモードを選択した場合は、現在開いているチャートの時間軸に応じて、以下のように上位足時間軸が自動で決定されます。

 

上位足時間軸の決定ロジック(チャートの時間軸=>上位足時間軸)

  • 月足=>年足
  • 週足=>月足
  • 日足=>週足
  • 4時間足=>日足
  • 1時間足=>4時間足
  • 30分足=>4時間足
  • 15分足=>1時間足
  • 5分足=>1時間足
  • 1分足=>15分足

 

目線・トレンド可視化機能

チャート時間軸の目線・トレンド可視化

HH/LH/HL/LLの状況から上目線、下目線を判定し、それぞれで色分けを行います。

この記事で添付しているチャートでは上目線の場合を緑で、下目線の時を赤で表示しています。色で可視化することで一目で目線の方向がわかるのではないでしょうか。

 

 

※色分け機能について、滅多にないのですが、現時点では特にレンジ相場の場合に正しく色分けできないケースも存在しますので(下記例参照)、あくまでインジケーターを使って目線付けを練習する際の補助的なものとして使ってください。慣れてくればインジケーターを見なくとも瞬時に目線が判断できるようになります。尚、色分け機能のアップデートは適宜反映して改善していきます。

 

色分けが正しく機能しないケース
縦線①を境に上目線になるが、背景は空白になっている。

 

2022/10/14 背景色の表現方法変更
色の濃淡で売り買いの強さを捉えられるようになりました。(濃い色の部分がより強い買い需要/売り需要(=供給)が想定できる領域)

この辺りはページ下部の動画でもイメージを確認してみてください。

 

 

上位足の目線・トレンド可視化

上位足のHH/LH/HL/LLの状況に基づいて上位足の目線・トレンドを色で可視化します。

可視化のロジックはチャートの時間軸の可視化と同様です。

この機能により、一枚のチャートでの上位足含めた環境認識がより視覚的に行いやすくなる他、上位足の目線やトレンドの切り替わりを見ながらエントリーのタイミングを図ることがより視覚的に行えるようになり、マルチタイムフレーム分析のユーザエクスペリエンスが格段に向上します。

 

以下のチャートを見てください。

 

サンプルチャート(EURUSD 4時間足に日足の目線可視化)

-オレンジ&ダークグリーン:上位足可視化
-赤&緑 : チャート時間軸可視化
-水平線 :上位足HH/LH/HL/LL
青 HH, 緑: LH, 赤: HL, 紫: LL

 

snapshot

 

上のチャートはEURUSDの4時間足に日足の目線・トレンド状況を可視化したものです。

ポイント①では、価格は日足のLLをブレイクした後、プルバックを形成し日足のLHを形成しています。
これは日足で下降トレンドが継続したことを確定させ、その結果背景がオレンジに変化します。

ポイント②では、価格が日足のLLから日足のHLへと安値の切り上げが確定しています。
これによってそれまで継続していた日足の下降トレンドが終了し、上昇トレンド転換する可能性を示唆しています。
この時点で背景がダークグリーンに変化します。

ポイント③では、価格は日足のLHをブレイクし、その後押しを形成して日足のHLが確定。
つまり日足レベルで上昇トレンドが確定したことを意味するため、背景はダークグリーンのまま継続します。

 

動作イメージ

 

使い方

上位足の目線・トレンド可視化機能を有効化するには、パラメーターで“Show MTF HH/LH/HL/LL”と“MTF visualization”の二つをONにしてください。

 

 

目線・トレンド可視化モード

目線が切り替わるタイミングを決定する二つのモードが存在します。

できるだけ早いタイミングでトレンド転換の可能性に備えて目線を切り替える、または少しでも確度が高まった時点で目線を切り替えるか、トレーダーのスタイルに応じて選択が可能です。

 

 

1. Confirmation(コンファメーション)モード

コンファメーションモードでは、以下のタイミングで目線を切り替えます。
※コンファメーションとは確認という意味なので、高値・安値の確定を以て目線の切り替えを行うためのモードです。

 

上昇から下降転換:

安値をブレイクし、その後高値の切り下げが確定した時点

下降から上昇転換:

高値をブレイクし、その後安値の切り上げが確定した時点

 

 

 

 

2. Dynamic(ダイナミック)モード

ダイナミックモードでは、以下のタイミングで目線を切り替えます。

 

上昇から下降転換:

安値をブレイクした時点

下降から上昇転換:

高値をブレイクした時点

 

 

 

ダイナミックモードは高値・安値のブレイク時点で将来のトレンド転換を見越して目線を切り替えることで、より早いタイミングでのトレンド転換の可能性を捉えることが可能です。

 

 

 

Strong Highs Strong Lows(ストロングハイ・ロー)表示

Strong Highs Strong Lows(ストロングハイ・ロー)とは?

Strong High(ストロングハイ)は直近の安値をブレイクした起点の高値であり、強い売り手の存在が示唆される高値です。同様にStrong Low(ストロングロー)は直近の高値をブレイクした起点の安値であり、強い買い手の存在が示唆される安値です。

 

snapshot

 

このインジケーターでのStrong Highs/Strong Lowsの定義は以下の通りです。

定義

  • Strong Highs: Higher lowsまたはlower lowsをブレイクした起点の高値
  • Strong Lows: Lower highsまたは higher highsをブレイクした起点の安値

注: Strong Highs/Lowsをどのように定義するかについては、異なる考え方も存在しますが、上記の定義は当インジケーターが相場の構造や目線を可視化するための他のロジックと整合するものであり、上記の定義を採用しています。

 

 

トレードにおける使い方

価格がStrong highs/lowsに戻ってきた場合、これらの価格帯が意識されて反発する可能性が考えられます。プライスアクションを見てトレンド継続またはトレンド転換のポジションを取ることに活用できます。

例えば上昇トレンドの場合、価格がStrong lowに戻ってきた場合には、トレンド継続の動きが出ることが期待できる一方で、Strong highが形成された後に価格がその付近まで戻った場合には、トレンド転換の動きが出る可能性が考えられます。

Strong highs/lowsの価格帯でのプライスアクションを見ることで、適切なポジション選択の判断に役立てることができます。

 

Strong highs/lowsを表示したチャート(クリックして拡大表示)

 

 

Bull(+)/Bear(+)/Bull/Bearシグナル

チャート時間軸、上位足それぞれで目線が切り替わったタイミングでシグナルを表示することが可能です。

勝ちやすいトレードの基本的な考え方の一つに、上位足の方向に沿ったポジションを持つという点が挙げられますが、そのポイントが来るまで待てるようになることをシグナルとアラート(下記で説明)で仕組み化していることがこの機能のポイントです。

期間収益をプラスにすることができない、トントンの状態からなかなか抜け出せないという方に対しては、まずはこういった上位足と下位足の目線が揃った状態でのトレードのみに注力することができるようになるための僕なりのソリューションです。

 

Bull Bearシグナルの利点は、

・上位足と下位足の目線・トレンドが揃ったタイミングをシグナルで検知できること

・トレンド転換の可能性をいち早く掴めること

です。

 

それぞれのシグナルは以下のタイミングで表示されます。

 

-Bull(+): 上位足が上昇トレンドでかつチャートの時間軸が下降トレンドから上昇トレンドに転換した※タイミング

-Bear(+): 上位足が下降トレンドでかつチャートの時間軸が上昇トレンドから下降トレンドに転換したタイミング

-Bull: チャートの時間軸が下降トレンドから上昇トレンドに転換したタイミング

-Bear: チャートの時間軸が上昇トレンドから下降トレンドに転換したタイミング

 

 

チャートの表示例

チャート左側の赤丸の部分に注目してください。下位足で下目線に切り替わったことで背景色が赤に変化しています。一方で、上位足はまだ上目線・上昇トレンドが継続中のため、背景色が濃い緑で表示されています。

また、中央付近の緑の丸のポイントは、下位足が下目線から上目線に切り替わったことで、上位足と下位足の両方が上目線に揃ったポイントです。

 

 

※厳密には上記シグナルが発生した時点というのはトレンド転換の可能性が生じたタイミングであり、そこからトレンド転換するとは限りません。

ただし、シグナルが発生した時点は相場構造が転換したポイントであるため、トレンド転換に備えるために活用することができます。

 

 

HH/LH/HL/LLブレイクシグナル

価格がHH/LHを上方ブレイクした時、HL/LLを下方ブレイクした時にシグナルを表示可能です。

 

HH/LH/HL/LLブレイクシグナル条件

  • HH/LHを上方ブレイクした時
    高値を更新したことで、上昇トレンド転換が起きる可能性に備えるためのアラートです。
  • HL/LLを下方ブレイクした時
    安値を更新したことで、下降トレンド転換が起きる可能性に備えるためのアラートです。

 

押し目買い・戻り売りの準備に活用してください。

 

サンプルチャート

以下のチャートではLLからHLへと安値が切り上がっている中で、高値LHをブレイクする足が出現。上昇トレンド発生の可能性があることからシグナル表示。

 

 

 

トレンド確定シグナル

高値・安値の切り上げ・切り下げが確定したタイミング = トレンド確定のタイミングと判断し、以下の条件でシグナルを表示します。

 

トレンド確定シグナル条件

  • 新たなHHとHLが確定した時点(高値切り上げ·安値切り上げの確定)でシグナルを表示。
  • 新たなLLとLHが確定した時点(高値切り下げ·安値切り下げの確定)でシグナル表示。

 

 

サンプルチャート

snapshot

 

上のチャートの左側では、LLから新たなLLへと安値が切り下がり、その後HHからLHと高値が切り下がったのが確定したタイミングで、下降トレンド確定シグナルが表示されます。

同様にチャート右側では、まずLHからHHへと高値が切り上がり、その後HLから新たなHLへ安値が切り上がったのが確定したタイミングで上昇トレンド確定のシグナルが表示されます。

 

目線可視化機能やブレイクシグナルと合わせてトレンドの流れを掴む練習に活用可能です。

 

アラート設定

HH/LH/HL/LLブレイクシグナル、トレンド確定シグナルと同じ条件でアラート設定可能です。

アラートが鳴ったらチャート監視を始めるなど、監視の効率化に活用できます。

 

 

設定画面

インジケーターのパラメータ設定画面です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

利用者の声

ここではDM等でいただいた利用者の方々の声を紹介します。

 

目線の状況が色分けされていて非常に見やすいです。

 

トレンドってこういう風に推移していくのかっていうのがよくわかりました。数ヶ月このインジケーターで特訓をします!

 

色で目線を可視化してくれるという機能についての高評価はもちろんのこと、トレンドがどのように移り変わるのかがわかるようになったというのは大きな進歩ですね。

このように個別に連絡を下さるのは開発側としても嬉しい限りです。

 

 

インジケーターのイメージを動画で確認

動画の5分17秒付近からは、ダウ理論をトレードにどのように使うのかを解説しています。

最近ダウ理論を勉強し始めた、改めて勉強し直したいという人にとっては、ダウ理論の使い方のイメージが持てる内容だと思いますので、ぜひ確認してみてください。

 

日本語字幕をONにしてご覧ください。

 

 

インジケーターの使用について

インジケーターの利用には二つの方法を用意しています。

 

1.チャートリーディングスキルメンバーシップへ参加

このインジケーターは僕が運営するメンバーシップ「チャートリーディングスキル養成メンバーシップ」の参加者の方に限定で提供している招待制インジケーターです。

通常は有料提供していますが、メンバーシップ参加者の方は参加期間中に限り無料で利用することができます。

メンバーシップそのものが「チャートが読めるスキルを身につける」ことをゴールにしていることもあり、チャートリーディングの基礎中の基礎であるダウ理論に沿った目線付けとマルチタイムフレーム分析を習得してもらうためのツールとして提供しています。

 

目線付けが苦手、マルチタイムフレーム分析が苦手という人にとっては特訓するには最強のツールだと自負していますし、一生涯渡って使えるチャートの見方をツールを使いながら養えることがベネフィットです。

また、メンバーシップで配信しているリアルトレード解説と合わせて使っていただくことでより学習効果が高まると考えています。

メンバーの方からのフィードバックは将来の機能追加・改善として反映し、今後も一層と洗練させていくつもりです。

生涯に渡って使えるスキルを身に付けたいという真剣な思いを持っている方は以下のリンクから詳細を確認してみてください。

メンバーの方には、目線付けを使ってどうやってトレードシナリオを組み立てるのか、このインジケーターのさらに詳しい使い方を限定記事として公開しています。

また、今の時点ではわからないけれど将来インジケーターを使ってみたいという方はお気に入り登録していただくと今後のアップデートで通知が届くようになります。

 

 

チャートを正しく読めるようになりたい人のためのメンバーシップ ※参加は1ヶ月から

メンバーシップに参加する (39USD / 月)

※メンバーシップ39USD + ダウ理論インジケーター(特別無料提供) = 39USD / 月

または年払いで16%を節約する

 

メンバーシップ詳細を見る

 

 

 

 

2.インジケーターのみを利用

今の時点ではメンバーシップへの参加は考えていないものの、インジケーターのみを利用したいという方にも月額サブスクリプション形式で提供しています。

サブスクリプションの提供はGumroadで行なっていますので、利用を希望される方は以下のリンク先から購入手続きにお進みください。

※利用後に満足いただけなかった場合は、購入から30日間に限り全額返金対応を行なっています。詳しくは購入ページをご確認ください。

 

 

購入手続き

Gumroadのページで「[TradingView]Dow Theory Trend Direction Visualizer」サブスクリプションを購入いただいた後、Gumroadで発行されるライセンスキーとTradingViewのIDをTradingViewのDMにてご連絡ください。(詳しい手続きはGumroadに記載しています。)

こちらでインジケーターのアクセス権を付与した後返信しますので、その後お使いいただけます。

 

 

 

※Gumroadはクリエイターと消費者を直接繋ぐ米国発のプラットフォームです。(日本語対応済み)

 

 

 

 

インジケーター開発のコンセプト

「良いインジケーターとはトレーダーの判断を手助けしてくれるものである。」

をコンセプトに開発を行っています。

 

今回紹介したインジケーターの他にも様々なオリジナルインジケーターをTradingViewで公開しています。

興味のある方は以下のTradingViewのページから他のインジケーターも確認してみてください。もしかしたら皆さんにとっても便利なインジケーターが見つかるかもしれません。

また、メンバーシップの参加意思に関係なく、今回紹介したインジケーターそのものは良かったよ!という方はぜひ以下のTradingViewのリンクから高評価をしていだたくと、今後新しいインジケーターを開発する際の参考になります。また当インジケーターのアップデート時に通知が届くようになります。

尚、TradingViewでフォローすると新しいインジケーターのリリース時に通知が届きますので、今後の新しいインジケーターのリリース通知を受け取りたい方はフォローをお願いします。

 

 

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