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経済ニュースの読み方 - ファンダメンタルズを分析する上で大切なこと

こんにちはサバイサバイFXです。

この記事ではファンダメンタルズを分析する上で重要な経済ニュースの読み方を解説します。

 

この記事はこんな方に適しています

  • ・経済ニュースと相場の動きの関連性を理解できるようになりたい
  • ・ファンダメンタルズを基に相場の動きのシナリオを立てられるようになりたい
  • ・経済ニュースを理解できるようになるための勉強方法を知りたい

という方はぜひ記事を最後まで読んでみてください。

 

 

ポイントさえ押さえればファンダメンタルズはわかる

ファンダメンタルズは難しい、経済ニュースは難しいと思っている方は多いのではないでしょうか。

ファンダメンタルズと一口に言っても、各国中央銀行の金融政策はもちろん、財政政策や経済成長率、貿易収支、人口動態、雇用情勢、インフレ指標などのマクロ経済データをはじめ、企業業績や、製造業の受注状況、小売業界の売上高や個人の支出傾向といったことまで多岐に渡ります。

ただ、金融資産の動き(=世界のマネーの動き)を見る観点では、見るべきポイントは限られてきます。

 

ではそのポイントとは何でしょうか?

 

 

資金の流れの起点となる資産クラスを抑える

金融市場にはいくつかの異なる資産クラスが存在します。

資産クラスとは、株式、債券、コモディティ(商品)、為替、暗号資産といったように金融商品を分類するものです。(不動産はここでは除外します。)

これらの資産クラスにはそれぞれ特徴があり、それら特徴を考慮して世界中の投資家たちが金融市場に資金を投じています。

そして、世界情勢や各国の経済状況に応じて投資家のマネーはこれらの資産クラスの間を行ったり来たりするのです。

 

各資産クラスは船が旅を続けていくときの船着場のようなイメージ。マネーは資産クラス間を行ったり来たりする。

 

例えばFXをやっている方であれば、この材料が出るとドル安になることが多いのに、今回はなぜドル高で反応したのかその理由がわからないと言った経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?

ゴールドを触っている方であれば、ドル高であればゴールドは下がることが多いのに今回はなぜか上昇した。でもその背景にあるロジックがわからない、と言った具合です。

 

その原因が上の図です。

 

金融市場というのは複数の資産クラスと資産クラス間の資金の流出入で動いていますので、為替だけ見ていれば為替の動きがわかるというものではないのです。

 

まずこの流れをしっかりと押さえられるかどうかが最初のポイントです。

ではこの資産クラス間のマネーの流れを押さえるにはどうしたら良いでしょうか?

それが次のポイントです。

 

 

相場の関心事項を抑える

よく経済指標が相場を動かしているという人がいますが、そうではありません。

CPIの数値が高かったから株価が下がる、ISM製造業指数の数値が良かったから株価が上がるというわけではないのです。

相場は売るか買うかを決定する人間の心理で動きます。

CPIの数値が高かろうが低かろうが、それに関心を持っている投資家がいなければ相場は動きません。

 

例として2022年の相場を振り返ってみましょう。

2022年といえばコロナショックからの経済回復が進む過程で、世界的に急速なインフレが進み、世界中の多くの中央銀行が金融引き締めに舵を切った年です。

毎月インフレ指標が発表されるごとに数十年ぶりあるいは歴代最高値を更新といったヘッドラインがニュースを飾り、株価は一方的に下がり、ドルは上昇し続けました。

では2023年はどうでしょうか?

インフレ指標は各国中銀が目標とする数値の2倍もしくはそれ以上と引き続き高い状態が続いています。

それにも関わらず相場の動きは変わってきています。株価は底値から持ち直しつつあり、ドルは軟化しつつあります。

2022年に株式から流出した資金が少しづつ戻ってきていることの証拠です。

これは相場に参加している投資家の関心と心理が少しづつ変化してきているためです。

このように、マクロの経済状況や経済指標といった材料(What)に対して、相場がどのように(How)反応しているかを見極めることが、前述の資産クラス間のマネーの動きを押さえる上で重要となります。

 

 

相場の反応はすぐに変わる。継続ウォッチしないと意味がない。

そして相場の反応は常に変わります。

昨日はこう反応したが、今日はこう反応したということが日常茶飯事です。

女心と秋の空と同様に投資家心理も移ろいやすいもの。

だからこそ相場を取り巻く状況を毎日追いかけ、変化を察知することが大切になるのです。

 

 

投資をする上で見るべき指標

少し前にFXをやっているからといって為替の情報だけを見ていても流れはわからないという話をしました。

ここでは相場の反応を追いかける上で見るべき金融商品について解説します。

投資(トレードも含みます)をする上では非常に大切なため、例えそれらの金融商品を取引しない場合も見ておくべき指標です。

 

 

米国株の代表3指数

米国株にはS&P500、ダウ工業平均、ナスダックの主要3指数がありますが、これら3つの動きは見るようにしましょう。

これら3指標を構成する企業は異なるため、一口に株が上昇したといってもどういった企業の株価が上昇しているのかによってこれら指数の動きは変わってきます。

例えばナスダックにはテクノロジー企業や新興企業が構成銘柄として多く含まれており、将来の成長見込みが株価の評価に組み込まれやすいという特徴があります。そのため金利の動きに敏感に反応しやすく、金利が上昇した時はナスダックだけが下落するという動きも珍しくありません。

株価が上がっている場合、3指数が足並み揃って上昇しているのか、それとも一部の特定銘柄だけが上昇しているのかによって、その上昇の信頼性や継続性の評価も変わってきます。(ダウ理論でも同じことを言っていますね。)

このように資産クラスの特徴や指数の特徴を理解していれば、相場がどのように反応しやすいかというメカニズムも理解でき、相場が何にどのように反応しているかも理解できるようになります。

 

 

米国債と(特に利回り)の動き

世界一の経済大国であるアメリカが発行する国債は元本が保証されているため安全資産に位置付けられています。

リスク資産である株式とは正反対の動きをすることが多いので、リスクオン相場、リスクオフ相場の動きを見極めるのにも役立ちます。

また米国債の利回りは米ドルや株価の動きにも影響します。

基本は10年国債の利回りの動きを追っていれば良いですが、金融政策に敏感な2年物国債の動きもたまに気にかけると相場の動きがより一層理解しやすくなります。

 

 

ドル

世界の基軸通貨である米ドルの動きは為替を取引していない人でも確認すべきでしょう。

米ドルにはリスク回避資産としての側面もあり、リスクオフの局面で米ドルが買われるという動きも良く見られます。

また、原油や金などの商品の多くは米ドルで取引されるので、商品の動きにも影響します。

 

 

原油

原油はあらゆるモノ・サービスの原材料といっても良いくらい人間の経済活動に必要不可欠なモノです。

そして経済活動が活発化すれば必然的に原油の消費量は増加します。

つまり原油は経済のバロメータとして見ることができるのです。

また、原油の動向に大きな影響を与える要素が需給です。原油関連の報道が出た際は、需要・供給どちらのサイドに影響があるのかを見るようにしましょう。

 

 

金は他の金属や商品にはない希少性から、価値の保存手段として長らく投資商品として重宝されているという特徴があります。

また、リスクオフ局面でのリスク回避資産としての資金の流入先にもなるので、商品の中ではリスクオン代表である原油と合わせて見るべき指標でしょう。

 

 

このように、資産クラスごと、金融商品ごとに特徴や見るべきポイントがありますので上記を押さえた上で日々の相場の動きを追いかけることをお勧めします。

 

 

 

ファンダメンタルズが理解できるようになるためのルーティン

最後にファンダメンタルズを見られるようになるおすすめの勉強法を紹介したいと思います。

通勤電車の中でもできるので毎日のルーティンに組み込んで実践しやすく、無理なく続けることができます。

それは経済ニュースのソースを一つ定めて毎日追いかけることです。

ニュースサイトとしてはBloombergかロイターのどちらかを好みに応じて選べば良いでしょう。

その時にこの記事でお伝えした内容を意識して見続けることでニュースと相場の動きの関連が徐々にわかってきます。

 

相場のことをわかるようになりたい、という人はぜひ続けてみてください。

まずは3ヶ月続けてみましょう。少しづつ変化が実感できるはずです。

 

 

ファンダメンタルズがわかることのメリット

ファンダメンタルズがわかるようになると、将来の世界情勢の先行きやマクロ経済動向に対するシナリオを自分で立てられるようになり、それを元に投資戦略を組み立てることができるようになります。

こうした取引手法をポジショントレーディングと言い、数ヶ月や数年という長期でポジションをホールドする取引スタイルです。

スイングトレードと中長期投資の間くらいで、チャート的には月足や週足で取引することをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

必然的に大きい値幅を狙った取引になることと、頻繁に売買する必要がないため、長期で取引をしたい人や兼業で投資をしたい人に向いた取引手法と言えます。

 

取引スタイルと取引スパン

取引スタイル スパン チャート
スキャルピング 数秒~分以内 秒足-1時間足
デイトレード 1日以内 日足・4時間足・1時間足
スウィングトレード 数日から数週間(または数ヶ月) 週足・日足・4時間足
ポジショントレーディング 数ヶ月から数年 月足・週足
中長期投資 5-10年またはそれ以上 年足・月足・週足

 

 

まとめ

さて、みなさんいかがでしたでしょうか。

冒頭お伝えした通り、ファンダメンタルズは一見難しいと思われがちですが、ポイントを押さえ、基本的なことを学んでしまえば実はテクニカル分析よりも学習することは少ないです。

今回の記事でお伝えした以下の点を意識してぜひ毎日のルーティンに組み込んで学習を続けてみてください。

 

記事のまとめ

・資金の流れの起点となる資産クラスを抑える

・相場の関心事項を抑える

・相場の反応はすぐに変わる。続けて観察することが大切。

・投資をする上で見るべき指標と特徴を押さえる

 

 

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