トレード戦術 波動の捉え方

触るな危険!? 調整波を見分ける3つの方法

こんにちは、サバイサバイFXです。

今回は相場に現れる「波」について、調整波(=修正波に同じ)の見分け方を解説したいと思います。

 

この記事でわかること

  • 推進波と調整波の違いがわかる
  • 調整波の見分け方がわかる
  • 調整波をトレードすることのリスクがわかる

 

エリオット波動理論においては、相場は推進5波、調整3波(修正3波)で推移するという基本的な考え方がありますが、3波かどうかは終わってみないとわかりません。

そこで、この記事では今この瞬間に発生している波は推進波なのか調整波なのかを、調整波の特徴に沿って見分けるという観点で解説をしていきます。

以下ではエリオット波動に囚われずに、トレンドを生み出す波(トレンドの方向に進む波)=推進波、トレンドの方向と逆に進む波=調整波と一般化して話を進めます。

 

なお、以下は全て上昇トレンドを例として話を進めます。下降トレンドの場合は逆にして考えてください。

 

動画で確認したい方はこちらから

 

 

相場は推進波と調整波で推移する

まずは相場の動きを形成する二つの波、推進波と調整波のおさらいです。

相場は以下の図に示すように推進波と調整波を形成して推移します。

推進波はトレンド方向に推移する波、調整波はトレンド方向と逆に推移する波です。

上昇トレンドであれば、相場が上昇する方向に動く波が推進波となります。

 

 

それでは以下、調整波を見分ける方法を3つ紹介していきます。

 

 

押し安値・戻り高値抜けを目安にする

一つ目の方法はダウ理論の押し安値・戻り高値を目安にするという方法です。

調整波は、当たり前ですが、"推進波でない波"ということもできます。つまり推進波が見分けられればその逆が調整波というわけです。

そして推進波かどうかは押し安値・戻り高値をブレイクする波かどうか、を判断基準の一つとすることができます。

 

以下の図を見てください。

 

 

 

推進波というのは名前の通りトレンドを推進する波、生み出す波のことです。

ただトレンドも常に一方向に進むわけではありません。ところどころで調整を挟みながら継続していきます。

そのトレンドを生み出す最初の1波となり得るのが、押し安値・戻り高値をブレイクする1波目(図の緑の矢印)なのです。

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そして、1波目が出たら以降はその方向に動く波を推進波と捉え、その逆に動く波は調整波と捉えることができます。

戻り高値をブレイクしないでも1波目となりトレンドが生まれていくケースもよくありますので、その場合は上の1波の見つけ方の記事を参考にしてください。その場合の考え方も同じです。

 

ダウ理論を理解できていないと何を言ってるのかわからないと思いますので、その場合は以下の記事を参考にしてください。

【ダウ理論】押し安値・戻り高値を客観的に見つけるたった一つの方法

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形で判断する

2つ目は波の形状です。

これは1つ目や3つ目と比べると、だいぶ主観的な判断方法になるので、見分けられるまである程度の時間と慣れが必要になります。

 

以下の図を見てください。

 

 

 

違いがわかりやすいように、上昇する推進波と上昇する調整波を並べて記載しています。

図の左側では上昇トレンドが発生しています。そのトレンドを推進する赤の波が推進波ですが、推進波の角度は勾配が急であるのに加え、一つ一つの波が大きいという特徴があります。

一方、右側の図が同じ上昇波でも上昇の調整波の場合です。

この場合、メインのトレンドは下降トレンドであり、その途中途中で一時的に上昇が発生している形です。

このような調整波には、角度が緩やか、上下動が激しいという特徴があります。(ダウ理論的には高値を切り上げ、安値を切り上げるという上昇トレンドの条件を満たしているものもあります。)

 

なぜこのような特徴が生まれるか、理由はわかりますでしょうか?

 

答えは、戻り売りが入りやすいからです。

 

見てわかるように、メインの流れは下降トレンドです。

つまりその方向に沿って売りを仕掛けている勢力が多いことを意味するため、適度な戻りを形成すれば、彼らの戻り売りのターゲットとなります。これが角度が緩やかになり、また上下に大きく揺れ動きやすいことの理由です。

この特徴があるために、長くポジションを保有していても、それに見合った値幅が推進波に比べて得られにくいというリスクが考えられると思います。

自分がポジションを持っている時に、どうもすんなりと伸びていかない、ということがあれば調整波をトレードしている可能性を疑ってみると良いかもしれません(悪いと言っているわけではありません。調整波は調整波で工夫すれば貴重なトレードチャンスとなります。)

 

上位足との兼ね合いで見る

3つ目の方法は上位足との兼ね合いで見ることです。

こちらは方法1の応用版といっても良く、相場をマルチタイムフレームで見ていくときの鍵ともなります。

 

以下の図を見てください。

ちょっとしたクイズをしたいと思います。こんな時はどう判断しますか?
(頭がエリオット波動! にならないように適当な波を描いてみました。)

 

書き忘れましたが、黒の波は1Hの波のイメージ、4Hでは下降トレンド継続中としてください。

 

 

 

上の図の1本1本の黒線の波に推進か、調整かを判断してみてください。

 

 

答えは以下の図の通りです。

 

 

青の破線で書いた分まで考えられた人は、ダウ理論の理解、トレンドの把握、マルチタイムフレーム分析もしっかりと理解できている人だと思います。

緑の"調整"を推進としてしまった人は、手前の1H上昇トレンドのイメージがあって推進としてしまったかもしれません。

ですが、図の右半分はすでに下降トレンドとなっています。

そのため、1H押し安値をブレイクする波が推進波、その次の戻しの上昇が調整です。

終わったチャートのイメージで表せばこの通りですが、仮に"緑の調整"の波が直近の高値を更新してきた場合は、再び上昇トレンド回帰する可能性があるので、推進となります。

 

さて、いかがでしたでしょうか?

最後のクイズの部分をきっかけに自分はどこの理解が足りていないのか、わかった方もいることでしょう。

 

ダウ理論? トレンドの定義? それともマルチタイムフレーム分析?

 

良くわかってないなという点がわかったらそれはこれから改善していくことのできるチャンスです。

 

波動の捉え方に苦手意識がある方は以下の記事も合わせて読んでいただくと理解が深まると思います。

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