Tradingview インジケーター トレード戦術

【TradingView】現代でも通じる! 伝説のトレーダー集団タートルの手法をストラテジー化

こんにちは、サバイサバイFXです。

今回は、チャートプラットフォームTradingViewで僕が開発したストラテジー(※)「20Days High Low Break Strategy(20日高値・安値ブレイクストラテジー)」を紹介します。(※TradingViewのバックテスト自動化ツール)

このストラテジーは、伝説のトレーダー集団タートルの20日高値・安値ブレイク手法をTradingViewのストラテジーでロジック化したものです。

本家の手法にアレンジを加え、利益確定や損切り条件を設定可能にすることでより柔軟性を持たせています。

記事の後半ではFXのドルストレートペアでこのストラテジーを実行した時の結果についても共有しています。

タートルの手法が現在でも通じることが確認できると思いますので、合わせて参考にしてください。

 

 

 

概要

ストラテジーの主要な構造は過去にリリースした過去N日間/N週間/Nヶ月の高値・安値を表示するインジケーター「Previous N days/weeks/months high/low」と同じです。(下記リンク参照)。

このストラテジーを使うと、過去N日高値・安値のブレイク手法のバックテストを行うことが可能です。

また、前述のインジケーターとは異なり、このストラテジーでは利益確定条件のために、もう一つ別の過去N日高値・安値を設定することができます。

これはタートルが20日高値のブレイクで買いエントリーを行う場合、10日安値ブレイクを手仕舞いの基準として使っていたことからです。

タートルのオリジナル手法ではATRやその他の要素も用いられていたようですが、このストラテジーには含まれていません。

 

【TradingView】過去N日間/N週間/Nヶ月の高値・安値を表示するインジケーター

こんにちは、サバイサバイFXです。 今回はオンラインチャートプラットフォームTradingViewで僕が開発したオリジナルインジケーター 「Previous N Days/Weeks/Months H ...

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タートルとは何か?

タートルとは、「優れたトレーダーは育成可能か?」の問いを証明するために、投資家リチャード・デニス氏とウィリアム・エックハート氏によって組織されたトレーダー集団です。

タートルは5年間に渡って1億7千5百万ドル以上を稼ぎ出したと言われており、この実験終了後にはヘッジファンドを運営する者や個人投資家として成功したトレーダーを輩出したことで知られています。

 

リチャード・デニス氏 引用: https://www.tradingreviewers.com/richard-dennis/

 

リチャード・デニス氏は、わずか400ドルをトレーディングによって2億ドルにまで増やしたと言われる伝説的トレーダーです。

タートルについて知りたいという人は以下の書籍を読むことをおすすめします。

僕自身、相場への向き合い方やトレードに対する姿勢で非常に参考になった素晴らしい書籍です。

タートルがどのように生まれ、そしてどのようにデニス氏の手法を習得し、前述したような規格外の成績を納めることになったのか、単純に読み物としても面白いです。


 

 

このストラテジーの特徴

このストラテジーは、価格が過去N日高値をブレイクした時にロングエントリーを、過去N日安値をブレイクした時にショートエントリーを実行します。

Nはパラメーターで指定可能なので、皆さんがこのストラテジーを元に独自の手法を開発するときなどに調整することができます。

また、前述の通り、利益確定条件としてエントリー条件とは別の過去N日高値・安値を指定することが可能です。

例:エントリーには55日の高値・安値のブレイクを用い、決済には20日高値・安値のブレイクを用いるなど。

 

 

使い方

このストラテジーは前述のインジケーターとほぼ同じ内容のラインを表示します。

過去N日、N週間、Nヶ月の高値・安値を表示でき、エントリーの条件として過去N日高値・安値を指定することができます。

過去N週・Nヶ月高値・安値ラインは利益確定の目安に用いるなどの参考として使ってください。

 

その他のパラメーターについては以下の詳細を参照ください。

 

パラメーター:

TP condition(利益確定条件):

“Pips(Pips指定)”, “When opposite entries(逆方向エントリー時)” or “Previous N days high low break(過去N日高値・安値)”から選択することができます。

“When opposite entries” を選択した場合、現在のポジションは、現在ポジションとは逆方向のエントリー条件が満たされた時に、決済されます。
例: ロングポジションはショートのエントリーが実行されると同時に決済される。

特定の過去N日高値・安値ブレイクを決済条件としたい場合は、“Previous N days high low break”を選択の上、該当するN日を”Previous N days High/Low for TP”の項目に入力してください。

 

SL condition(損切り基準):

“Pips(Pips指定)”、“Swing High/Low(スウィングハイ・ロー)”から選択することができます。

“Swing High/Low”選択時は、高値・安値決定に必要な左右のバーの本数を指定します。

注:TP、SL条件でPipsを選択した場合は、現時点では為替通貨ペアのみに機能します。

 

※なお、ここではツールとしての使い方を説明してきましたが、ストラテジーを使いこなすためのコツを後日記事として執筆したいと思います。

バックテストというのは、決してストラテジーを実行して結果を確認したら終了、というものではありません。

むしろそこからが重要な点でもあるので、今しばらくお待ちください。

 

 

このストラテジーに最適の時間軸は?

当ストラテジーはスウィングトレードの手法となっているため、長期の時間軸が適しています。

為替のドルストレートペアでの結果を見てみると日足が最も適していますが、利益確定や損切り条件を調整することで、4時間足や1時間足向きにもアレンジできると思います。

上に示したストラテジーの例は、ドル円の日足における過去40年間以上でのバックテストの結果ですが、これだけの長期に渡って右上がりのエクイティカーブとともにプロフィットファクター2近くを維持するなど、かなり良い結果と言えるのではないでしょうか。

これは一つのシミュレーション結果に過ぎませんが、データを見る限りタートルの手法は現在でも機能すると言えるでしょう。

 

バックテスト結果

さて、ここからはこのストラテジーをFXのドルストレート通貨ペアにて実行したバックテスト結果を紹介していきます。

対象は、ドル円、ユーロドル、豪ドル米ドル、NZドル米ドル、ポンドドル、ドルフラン、ドルカナダの7つです。

バックテストの対象時間軸は日足、対象期間は通貨ペアにより利用可能データが若干異なるものの、およそ過去40年間での実施結果です。

初期資金は、ドル円に関しては100万円。それ以外は10,000ドル(ドルフランは10,000フラン、ドルカナダは10,000カナダドル)。ロットは期間固定で10万通貨で実施しています。

 

 

ドル円

まずドル円です。

通算勝率40%、PFは2を維持しています。

相場にも人生と同じように浮き沈みがありますが、それでも過去40年という長期間に渡ってプロフィットファクター2を維持しているのはかなりの結果と言えるでしょう。(※あくまで期間平均なので、ひとつひとつのトレードの結果とは異なります。)

いずれにせよ綺麗な右肩上がりのエクイティカーブで、資金は49倍になっています。

これは上記の通り単利での実施結果ですので複利の場合はさらなる資金増加が見込めることになります。

 

 

 

ユーロドル

ユーロドルのエクイティカーブも綺麗な右肩上がりです。

ドル円より資金の増加スピードが大きいのは、大きく勝つことのできたトレードの数に差によります。

 

 

 

豪ドル米ドル

豪ドルは少し様相が変わっています。

というのは、画面一番下の横軸45回目のトレード付近で、資金を飛ばす結果となっています。(赤の部分)

この辺りは何が原因になっていたのかを分析して、取引ルールの改善をしていく必要性があるでしょう。

 

 

 

NZドル米ドル

NZドルも43回目のトレードに至る過程で、一度口座破綻が発生しています。ただその後は綺麗な右肩上がりのエクイティカーブになっています。

 

 

 

ポンドドル

ポンドもユーロドルと似た形のエクイティカーブです。

取引開始まもない時期での赤の印はポンドが変動相場制に移行する前のデータが引っかかってしまっているので、これは除外する必要があります。

 

 

 

ドルフラン

ドルフランも良い形をしています。

 

 

 

ドルカナダ

ドルカナダは豪ドルに次ぐ悪いパフォーマンスになっています。

こちらも原因を追求して改善を検討する余地がありますね。

 

 

 

 

僕が使っているチャートツールTradingviewはこちら



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