こんにちはサバイサバイFXです。
今回は、オンラインチャートツールであるTradingviewで僕が作成したオリジナルインジケーターの紹介をしたいと思います。
作成したのは「ボリンジャーバンドと遅行スパンを表示するインジケーター(アラート付き)」です。
一つのインジケーターで、プラスマイナス3シグマのバンドを表示すると共に遅行スパン(期間は設定可能)を表示します。
また、遅行スパンがプラスマイナス2シグマを超えた時にチャート上にシグナルを表示すると共に、アラートの設定も可能です。
インジケーターは無料で使うことができます。一つのインジケーターでプラスマイナス3シグマのバンドを表示できるので、インジケーター数の制限に悩んでいる方はもちろん、ボリバンと同時に遅行スパンを活用している方にとっては一石二鳥のインジケーターです。
この記事では、インジケーターの仕様、設定方法について解説します。
ぜひ使ってみたいという方は、こちらのTradingviewのインジケーター紹介ページ(下記リンクと同様)の方にある「お気に入りスクリプトに追加する」をクリックしていただくと、TradingViewのインジケーター設定画面から簡単に呼び出すことができます。
目次
ボリンジャーバンドと遅行スパンの併用
ボリンジャーバンドはテクニカル分析で最も使われているインジケーターの一つです。
トレーダーの中にはボリンジャーバンドと遅行スパンを共に用いることで売り買いのサインを捉える手法を使っている方もいます。
上昇トレンドにおいては、遅行スパンがプラス2シグマバンドを上抜いた時を買いサイン、下降トレンドにおいては、遅行スパンがマイナス2シグマバンドを下抜いた時を売りサインとして捉えるものです。
一般的には、遅行スパンは現在価格を26期間オフセットしたラインが用いられます。
このインジケーターでは、遅行スパンがプラスマイナス2シグマを抜いた時にチャートへのシグナル表示と、アラート設定が可能です。
遅行スパンがなぜ重要なのか?
遅行スパンというと一般的には、ボリンジャーバンドと同じくらい有名なテクニカル分析指標である一目均衡表を思い浮かべる方が多いと思います。
一目均衡表を開発した一目山人が、26日の遅行スパンがもっとも大事と言われたくらい重要視されていた遅行スパンですが、なぜ重要なのでしょうか?
遅行スパンとは、現在のローソク足の終値を過去(チャートの左側)に向かって数本移動させた点を繋いだラインです。もっとも多く用いられている26期間の遅行スパンとは、現在ローソク足の終値を、現在ローソク足を含んで26本分左にずらして表示した価格となります。
これを逆に表現すると、遅行スパンから26本右にずらしたものが現在の価格になっているということができます。
つまり、遅行スパンは26期間将来の価格ということができますね。
そうすると、遅行スパンとローソク足の終値を比較することによって、現在が買いが優勢なのか否かを判断できるということです。
ある時間帯のローソク足を1本切り取ったと仮定して、そのローソク足と同じタイミングで表示される遅行スパンが、そのローソク足よりも上にあれば、そのローソク足で買いを入れていた人は26期間後の時間帯では含み益になっているということです。
文字だけだとわかりにくいので、チャートで例を見てみましょう。
下のチャートは今回紹介するインジケーターを使ってポンド円の1時間足にボリバンと遅行スパン(オレンジ線)を表示したものです。
上のチャートに基づいて、今この瞬間が青のローソク足の時間帯だと仮定しましょう。
表示されている最新の遅行スパンを見ると、赤枠のローソク足より上にあることがわかります。(ピンクの丸)
遅行スパンは26期間将来の価格を示すので、赤ワクのローソクで買いを入れていた人は、現在(青のローソク足)では青の矢印の分だけ含み益になっています。
逆に赤ワクのローソクで売りを入れていた人はどうでしょうか?含み損ですよね?
ということは、現在の時間である青のローソク足では、買いが優勢であるということができます。(含み損の人は手仕舞いを考える。)
このことから、遅行スパンがローソク足より上にある状態では、買いが優勢であるということができます。
実際チャートがその後どのように変化したかというと、上昇していることがわかります。
ここまでが遅行スパンの意味する内容についてです。
では遅行スパンとボリバンの2シグマバンドとの関係とはどのようなものなのでしょうか?
遅行スパンと2シグマバンドの関連性
ボリンジャーバンドが収縮と拡散を繰り返しながら、相場を推移していくということはよく知られていることだと思います。
ボリバンが収縮しているときは、ローソク足も大きな動きがなくヨコヨコのレンジ相場を形成し、そこからトレンドが発生するに従って、ローソク足がボリバンのプラス1シグマ、2シグマを上抜いて行って強いトレンドが生まれると行った具合です。
プラス2シグマを上抜くということは、それだけ強い上昇の力が働いているという意味ということですね。
では遅行スパンがボリバンのプラス2シグマを上抜くとは何を意味するのでしょうか。
前述のように遅行スパンは26期間将来の価格を表すものと説明しました。
そのラインがプラス2シグマを上に抜けるということは、遅行スパンがプラス2シグマを上抜いたタイミングから26期間先の将来では強い買い圧力が生まれていることを意味しており、遅行スパンがプラス2シグマを上抜いたタイミングで買いポジションを保有していた人の含み益が増加していくことを意味します。
さらに、強い買い圧力の存在を知って追加で買いを入れてくる勢力が考えられることから、書いが優勢のタイミングとなるため、遅行スパンがボリバンのプラス2シグマを超えた時に買いサインとするというのが、ボリンジャーバンドと遅行スパンを使った手法の考え方なのです。
遅行スパンについてもっと詳しい説明を見てみたい方は以下サイトの記事が参考になります。
仕様
機能概要
- ±1-3シグマのボリンジャーバンドの表示
- ボリンジャーバンドの基準線としてのSMAの表示(期間は設定可能)
- 遅行スパンの表示(遅行期間の設定及び表示非表示の切り替え可能)
- 遅行スパンがプラス2シグマバンドを上抜いた場合、マイナス2シグマバンドを下抜いた場合にチャート上にシグナルを表示(同じ条件でアラート設定が可能)
- シグナルの表示・非表示の切り替え
設定画面
設定画面をみてもらうとイメージが湧きやすいと思いますので、実際の画面イメージを添付します。
実際に使われる時もこちらのページを参考に設定してみてください。といっても設定はとても簡単です。
<インジケーター設定画面>
TradingViewのチャート画面上部にある"fx"ボタンを押下します。
インジケーター検索画面で、"Bollinger bands with lagging span"と検索してください。(日本語だと検索できません。)
インジケーターが表示されたらクリックしてください。
<パラメーター設定画面>
遅行スパンの表示・非表示やチャート上のアラート表示はチェックボックスで制御可能です。
<スタイル設定画面>
各バンドごとに線の太さや色を変更することが可能です。チャート上に表示するアラートの色とシンボルも変更可能です。
設定は以上で完了です。
実際にインジケーターを設定したチャートを見てみましょう。
インジケーター設定後のサンプルチャート
ポンド円の1時間足にインジケーターを表示した状態です。
オレンジのラインが遅行スパン。
緑の▼が遅行スパンがプラス2シグマを上抜いた時のシグナル、赤の▼が遅行スパンがマイナス2シグマを下抜いた時のシグナルです。
このシグナルが表示されたら、買いまたは売りのチャンスが発生する可能性があると考えることができます。
いかがでしたでしょうか。
ぜひ使ってみたいという方は、こちらのTradingviewのインジケーター紹介ページ(下記リンクと同様)の方にある「お気に入りスクリプトに追加する」をクリックしていただくと、TradingViewのインジケーター設定画面から簡単に呼び出すことができます。
今回紹介したインジケーターの他にも様々なオリジナルインジケーターをTradingViewで開発しています。
興味のある方は以下のTradingViewのページから他のインジケーターも確認してみてください。もしかしたら皆さんにとっても便利なインジケーターが見つかるかもしれません。
最後に、このインジケーター良かったよ!という方はTradingViewで高評価していただけると、今後のインジケーター開発の参考になります。
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