こんにちは、SABAI SABAI FXです。
この記事ではダウ理論の重要な概念である「押し安値」とは何か? またスイングローとの違いは何かを解説します。
テクニカル分析でダウ理論を学んでいると、「押し安値」という言葉をよく耳にすると思います。
押し安値は、上昇トレンドの継続や終了を判断するときに重要な価格の1つです。
一方、押し安値とよく混同されるものに「スイングロー」があります。
どちらもチャート上の安値を指すため、同じ意味だと思われがちですが、厳密には役割が異なります。
簡単に言うと、次のような違いがあります。
- スイングロー:チャート上に形成された局所的な安値
- 押し安値:高値を更新した上昇の起点となった安値
つまり、すべての押し安値はスイングローに含まれますが、すべてのスイングローが押し安値になるわけではありません。
この記事では、押し安値の意味やスイングローとの違い、押し安値をチャート上で見つける手順について、初心者にも分かるように解説します。
目次
押し安値とは
押し安値とは、上昇トレンドにおいて最後の高値更新の起点となった安値のことです。
次の図を見てください。
上昇トレンドでは、価格が一直線に上がり続けるわけではありません。
価格は上昇と一時的な下落を繰り返しながら、高値と安値を切り上げていきます。
たとえば、価格が次のように動いたとします。
- 価格が上昇して高値1をつける
- いったん下落して安値1をつける
- 安値1から再び上昇する
- 直前の高値1を上抜いて、新しい高値2をつける
- 再び下落して安値2をつける
- 安値2から上昇して高値2を超える
この場合、高値2を上抜いた上昇の起点である安値2が、押し安値です。
重要なのは、単に価格が反発した安値だから押し安値になるのではないという点です。
その安値から始まった上昇によって、上昇トレンドで形成した最後の高値を上抜いたことが確認されて、初めて押し安値になります。
押し安値は上昇の起点となった安値
押し安値を理解するときは、「上昇トレンドを継続させた起点」という考え方が重要です。
チャートには複数の小さな安値が形成されますが、そのすべてが相場において同じ重要度を持つわけではありません。
小さな反発で終わった安値もあれば、その後の強い上昇につながり、直前の高値を更新する起点となった安値もあります。
押し安値として注目されるのは、後者です。
つまり、押し安値とは単なる見た目上の安値ではなく、上昇トレンドの構造を維持する上で意味を持つ安値だと考えられます。
押し安値は高値更新によって判断される
押し安値は、安値が形成された瞬間に確定するわけではありません。
安値をつけて価格が反発したとしても、その上昇が直前の高値を上抜けなければ、その安値が押し安値になるかどうかはまだ分かりません。
その後に高値を更新することで、
「この安値が、次の上昇波の起点だった」
と判断できるようになります。
このように、押し安値は未来の値動きを確認したうえで、後から確定される価格です。
スイングロー(SL)とは
スイングローとはチャート上で価格がいったん下げ止まり、その後上昇に転じた局所的な安値です。
以下のチャートを見てください。
緑のラベルの安値がスイングロー(SL)、赤いラベルの高値がスイングハイ(SH)なのですが、
スイングローは相場が波=うねりを築く時の起点の安値であることがわかると思います。
スイングローの見つけ方
スイングローを見つけるためには左右N本のローソク足と比較して、その前後のローソク足の安値よりも低い場合に、スイングローとして特定します。
例えば、中央のローソク足の安値が、左右それぞれ2本のローソク足の安値よりも低ければ、その中央の安値がスイングローです。
ただし、スイングローの判定方法は一つではありません。
左右何本のローソク足と比較するのかによって、検出されるスイングローの位置が変わります。
下の図の右側を見てください。
こちらは左右2本のローソク足と比較した場合のスイングローを示したものです。
右側の図を見ていただくと、赤い丸をつけた安値は左の2本のローソク足の安値よりも低く、右の2本のローソク足の安値よりも低いことがわかります。
スイングローは左右何本のローソク足と比較すべきか?
スイングローを特定するために左右何本のローソク足と比較すべきかについて、唯一絶対の正解はありません。
一般的には、3、4、6、10あたりがよく使われます。
数字が小さくなればなるほど、相場の小さな波を把握することができ、大きくなればなるほど相場の大きな波を把握することができます。
つまりスイングローを用いる時は、「自分はどのサイズの波を見たいのか?」を明確にすることが重要です。
スイングハイローを利用するときは、過去チャートを使うなどしながら自分自身で検証を行い、どの設定が自分に合うのかを見つける必要があります。
大切なのは、自分に合った設定を継続して利用し続けることです。
押し安値とスイングローの違い
押し安値とスイングローの最も大きな違いは、判定するときに「上昇トレンドの高値更新」を必要とするかどうかです。
スイングローは、チャート上に形成された局所的な安値であると説明しました。
それに対して押し安値は、その安値から始まった上昇が、上昇トレンドにおける最後の高値を上抜いたときに特定されます。
両者の違いを表にすると、次のようになります。
| 比較項目 | 押し安値 | スイングロー |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 上昇トレンドの高値更新につながった起点の安値 | チャート上の局所的な安値 |
| 判定基準 | 上昇トレンドで高値更新したか | 前後のローソク足の安値より低いか |
| 高値更新の必要性 | 必要 | 不要 |
| 出現する相場 | 主に上昇トレンドの分析で使用 | 上昇トレンド・下降トレンド・レンジのすべて |
| 主な役割 | 買い手側の需要(デマンド)分析 | 値動きの波を把握 |
| 確定時期 | 高値を更新した後 | 左右のローソク足が確定した後 |
すべてのスイングローが押し安値になるわけではない
チャート上には、複数のスイングローが形成されます。
しかし、そのなかで押し安値になるのは、上昇トレンドの高値更新につながったスイングローです。
以下の図を見てください。
たとえば、安値3から反発が発生していますが、上昇トレンドにおける最後の高値である高値3を上抜くことができていません。この場合安値3はスイングローにはなりますが、押し安値とは判断されません。
一方、安値2は高値2を更新し、上昇トレンドを継続させた起点の安値です。この場合安値2は押し安値になります。
つまり、押し安値は複数あるスイングローのなかから、値動きの結果によって選ばれる安値だと考えることができます。
押し安値はスイングローに役割が加わったもの
押し安値とスイングローを完全に別のものとして考える必要はありません。
押し安値の候補になるのは、基本的にはスイングローです。
ただし、そのスイングローから始まった上昇が高値更新につながることで、相場構造上の役割が加わります。
そのため、次のように理解すると分かりやすくなります。
スイングロー
=チャート上の安値という形
押し安値
=高値更新の起点という役割を持ったスイングロー
この「定義」と「役割」の違いを理解すると、両者を区別しやすくなります。
さて、いかがでしたでしょうか?
ここまでで押し安値の基本概念とスイングローとの違いについて理解していただけたのではと思います。
チャート上で押し安値をどのように見極めるのかについては、ケーススタディとともに以下の記事で詳しく解説していますので合わせて確認して見てください。
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押し安値を見極めるときの注意点
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押し安値を見極めるときは、いくつかの注意点があります。
時間軸によって押し安値は変わる
同じ銘柄・通貨ペアでも、日足、4時間足、1時間足、15分足では、異なる押し安値が存在します。
時間軸が異なると、それぞれの時間軸で発生している相場のうねり=波の大きさが異なります。
日足では一つの上昇波に見える値動きでも、1時間足では複数の上昇と下落に分かれていることがあります。
そのため、日足の押し安値と1時間足の押し安値は、別の価格になる可能性があります。
押し安値を分析するときは、どの時間軸の動きを見ているのかを明確にする必要があります。
スイングローの判定方法によって結果が変わる
左右何本のローソク足を使ってスイングローを判定するかによっても、押し安値の候補は変わります。
細かいスイングローを採用すると押し安値の更新頻度が高くなり、一方で大きなスイングローを採用すると押し安値の更新頻度は低くなりますが、より大きな相場の構造を捉えやすくなります。
細かい設定ほど正確、大きな設定ほど遅い、という単純な優劣ではありません。
自分が分析したい波の大きさに合わせることが重要です。
ヒゲと終値のどちらで高値更新を判断するか
押し安値を確定するためには、上昇トレンドにおける高値のブレイクを確認する必要があります。
このブレイクをローソク足のヒゲで判断するのか、終値で判断するのかによって、押し安値が確定するタイミングは変わります。
ヒゲで判断する場合は、価格が一時的に高値を上回った時点でブレイクとみなします。
終値で判断する場合は、ローソク足が高値を上回った状態で確定するまで待ちます。
どちらにも長所と短所があり、絶対的な正解があるわけではありません。ブレイクの判定に関する流派の違いです。
レンジ相場では押し安値が頻繁に切り替わることがある
方向感の強い上昇相場では、押し安値が比較的明確に機能します。
一方、レンジ相場では短期間に上昇下落が繰り返され、押し安値や戻り高値が頻繁に切り替わることがあります。
その結果、押し安値を基準にしても、相場の方向性をうまく捉えられない場合があります。
押し安値は、単独で売買方向を決めるものではなく、相場環境と組み合わせて利用することが大切です。
押し安値についてよくある誤解
押し安値はシンプルな概念に見えますが、いくつか混同しやすいポイントがあります。
ここではよくある誤解についてまとめます。
直近の安値が必ず押し安値になるわけではない
直近の安値が、必ず押し安値になるわけではありません。
押し安値になるためには、その安値から始まった上昇が、上昇トレンドの高値の更新につながっている必要があります。
直近の安値から価格が反発していても、まだ高値を更新していなければ、その安値は押し安値候補の段階です。
押し安値を割れば必ず売りではない
押し安値を割ることは、上昇トレンドが終了したかどうかを判定する1つの基準です。
しかし、押し安値を割ったこと、イコール下降トレンド転換ではありませんし、それだけで必ず売りエントリーを行うべきだとは限りません。
押し安値を割った後にレンジへ移行するケースや、ブレイクが一時的なダマシになり、再び上昇するケースもあります。
押し安値割れは、売買サインそのものではなく、相場の前提を見直すための情報として捉える必要があります。
押し安値とスイングローに関するよくある質問
押し安値と直近安値は同じですか?
必ずしも同じではありません。
直近安値は、現在価格から見て最も新しく形成された安値を指すことが一般的です。
一方、押し安値は、上昇トレンドの高値更新につながった上昇の起点となる安値です。
直近安値がまだ高値更新につながっていない場合、その安値は押し安値候補ではあっても、確定した押し安値ではありません。
押し安値はいつ確定しますか?
押し安値候補となる安値から価格が反発し、上昇トレンドの最後の高値を上抜いた時点で押し安値が確定します。
ただし、ブレイクをヒゲで判断するか、終値で判断するかによって、確定タイミングは異なります。
まとめ
押し安値とは、上昇トレンドにおいて、最後の高値更新の起点となる安値です。
一方、スイングローは、チャート上に形成された局所的な安値を指します。
両者の違いを簡潔に整理すると、次のようになります。
- スイングローは相場の動きの中の局所的な安値。左右のローソク足の安値と比較して決まる
- 押し安値は、上昇トレンドにおける最後の高値更新の起点安値という役割を持った安値
- スイングローは押し安値になり得るが、全てのスイングローが押し安値になるわけではない
- すべてのスイングローが押し安値になるわけではない
- 押し安値は、上昇トレンドにおいて最後の高値をブレイクした後に確定する
- 時間軸やスイングの判定幅によって、押し安値の位置は変わる
押し安値とスイングローを区別できるようになると、チャート上にある複数の安値のなかから意味のある重要な安値を見つけやすくなり、相場の力関係を把握することができます。
ただし、押し安値はそれ単独で売買を決めるサインではありません。
押し安値が形成された背景、高値と安値の推移、現在の相場状況を組み合わせて判断することが重要です。
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押し安値と戻り高値を自動で表示するTradingViewインジケーター(アラート付き)
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