波動の捉え方

【エリオット波動】波の延長と副次波の違い

こんにちは、サバイサバイFXです。

今回はエリオット波動の波のカウントに関する記事として、波の延長と副次波の違いについて解説します。

エリオット波動理論の中でも基礎的な内容ですが、これらの違いを理解していないと波のカウントも誤ってしまいますので、自信がないという方はこの機会にしっかりと理解を深めるのが良いでしょう。

 

こんな方にオススメ

・波の延長と副次波の違いがわからない

・両者の違いを理解して波のカウントのコツを会得したい

 

 

波の延長と副次波の違い

以下の図解とともに解説します。

 

図解

 

 

波の延長とは

延長(エクステンションとも表現される)とは、現在の時間軸で観測できる波が、同じ時間軸でさらに分割して観測されることを言います。

上の図の左側を見てください。

赤の波1-5波は一つの時間軸の上で観測される波です。この中で5波がさらに①〜⑤波に分割して観測されます。

赤の1〜5波も①〜⑤波も同じ時間軸(例えば日足)で観測される波です。

この場合、5波が延長していると捉えるのが波の延長の定義です。

 

 

副次波とは

一方の副次波とは下位の時間軸で観測される波のことです。

図解の右側を見てください。

赤の波は1〜5波までが観測できる上昇5波動です。

このうちの5波を下位の時間軸で確認すると、青の1〜5波が確認されました。

この場合、青の1-5波を赤の5波の副次波と呼びます。(副次波は英語ではsub wavesと呼ばれます。青は赤のサブということですね。)

 

波動は各時間軸の波が複数層に渡って重なり合ってできています。例えば1時間足で観測できる波、日足で観測できる波といった具合です。

これらの層のことをエリオット波動理論ではDegree(ディグリー)と呼びます。

副次波は上位の時間軸の波から見て、下位のディグリーで観測できる波ということになります。

 

 

波の延長と副次波の具体例

延長の例

以下のチャートはユーロ円の2020年11月2日から2021年6月1日までの日足です。(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示されます。)

 

 

僕はこのチャートにおける波動を5波が延長しているパターンと捉えました。

以下のような形です。

 

該当期間における一番大きな波として赤の(1)~(5)波を認識することができます。(5)波が延長波です。

このような認識に至った背景として、まず高値(3)が高値(1)の1.618倍の水準にあること。これは3波の到達地点として非常に良くある特徴です。

そしてその後の安値(4)からの上昇が長期間続いていることから、(5)波が延長している可能性が高いと考えました。

さらに高値(5)が高値(3)の1.618倍の水準にあることを確認。これも5波が延長するときの特徴として非常に良くある波の比率です。

以上から(5)波が延長した推進波5波というように判断をしています。

 

(5)波の延長はオレンジの1~5で示していますが、さらにオレンジ5波が青の1~5波で分割して観測できることがわかると思います。

これも波の延長が起きるときに良くある特徴の一つですが、ある波が延長する場合、その延長する波の副次波においては延長する波の次数と等しい副次波の波がさらに延長することが多い、というものです。

ちょっとややこしい表現なので具体化して説明します。

今延長しているのは赤の(5)波です。(5が延長波の次数)

そして(5)波の副次波(オレンジの波)を見ると、やはりオレンジの5波が延長しています。

5波が延長するときは、その副次波のさらに5波目が延長することが多い、というのが延長が発生するときの一つの特徴です。

 

補足

ちなみに上のユーロ円のチャートを見て、オレンジの3波も延長しているのでは?と思った方は鋭い観察眼をお持ちの方だと思います。

エリオット波動理論では、波の延長が起こるのは推進波における一つの波だけと説明がされています。

つまり5波が延長するのであれば3波や1波が同時に延長することはないという考え方です。

僕個人の見解は、理論とは反対派の立場でして、上のユーロ円の例のように、複数の波が延長するケースもあると考えています。これは実際に過去のチャートを観察することから至った考えです。

 

 

副次波の例

以下のチャートはユーロドルの2020年11月2日から2021年1月7日までの日足です。

 

 

赤で示した上昇5波の5波目の副次波を確認します。

以下は4時間足ですが、青で示した1~5波が確認できることから、この場合は4時間足の1~5波が日足の5波の副次波になっていると判断できます。

 

青の1~5波の形からするとダイアゴナル(楔形の波)と見ることができます。

ダイアゴナルは5波で非常に発生しやすいという特徴があります。

 

 

波のカウントのコツ

今回紹介したように、上位の波と下位の波の対応に気をつけながら波動を追いかけるというのが波のカウントの一つのコツです。

加えて、やはり波を見ることに慣れる、体で覚えるといった側面も大きいと思います。

波のカウントの技術は一朝一夕に身につくものではありません。僕自身も日々新たな発見をして、自分の相場観のアップデートをし続ける毎日です。

とにかく過去のチャートを使って波を引きまくって体に波のリズムを染み込ませるつもりで練習に取り組むことをオススメします。

 

 

今回は以上です。

 

以下のカテゴリでは波動をいかに捉えるかというテーマで執筆した記事が確認できます。合わせて参考にしてみてください。

 

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