株や為替、コモディティ、仮想通貨の中から特定の銘柄を取り上げてそのエリオット波動を考察する波動分析シリーズ。
今回は為替(FX)のポンドクロスの中からポンドカナダ( GBPCAD )を取り上げます。
ポンドクロスというと有名なのは、ポンドオージーやポンドフランですが、ポンドカナダというのはどちらかというとさらにマイナーな部類に入ると思います。
そんなマイナーな通貨ペアをなぜ取り上げるかというと、この通貨ペアは現在、月足ベースで5年近くに渡りレンジを形成しており(エリオット波動ではトライアングルと判断)、しばらくの間はトライアングルの上限から売り、下限から買いを狙うことで、大きな値幅のレンジをトレードする機会と捉えられるためです。
レンジが継続している間はレンジ上限・下限に引きつけてのレンジ戦略で比較的長い時間軸(月足から日足)でのトレードを行い、その間、エリオット波動を観察しながらトライアングルの完了するタイミングを見計らう。トライアングルを抜ければ大きなトレンドが出ることが想定されますから、そこからはポンドクロスの醍醐味である高いボラティリティとともに大きな波を狙うという長期でのトレード戦略を考えることができます。
それでは早速長期波動を見ていきましょう。
月足
過去20年間で捉えた月足チャートです。
これより長いスパンでの波動はなかなか捉えにくく、今回はこのチャートを元に直近10年間の波動を考察します。
2010年までは大きな下降トレンドが続いており、2010年を境に急上昇。
そこから高値切り下げ、安値を切り上げる形の持ち合い相場が続いていると見ることができます。
2010年からの上昇については、ブラックⅠ〜Ⅴ波をプロット。
現在はブラックⅠ~Ⅴ波に対する調整波を形成中。高値切り下げ、安値を切り上げの動きから、この調整波がトライアングルになっていると判断しています。
さて、2010年以前の波動がつかめないため、判断の難しいところですが、仮に2010年まで長期の下降5波動が存在しており、現在はその長期下降5波動に対する調整波と仮定すると、ブラックⅠ~Ⅴ波が(a)波、現在の持ち合い相場が(b)波と捉えることもできます。
チャートにプロットした波動はこの想定を元にしています。
以下は週足を使って直近5年間の持ち合い相場の中を確認していきます。
週足
週足波動を見ると、以下のチャートに示したように3波動構成での推進が確認できます。
このことは月足で想定したトライアングルという仮説と符合します。
現在は調整波でトライアングル形成中という捉え方は一つの可能性として十分考えられそうです。
さて、現在はパープルの波動で示したB波を形成中と考えられます。
月足で引けるb-dライン(ブラック点線斜線)に接近しているところなので、そろそろ折り返して、トライアングルの下限a-cライン(同じくブラック点線斜線)に向かう動きが出るかもしれません。
b-dライン付近でのプライスアクションに注目し、転換するようであればトライアングル下限へ向けてショートを狙うトレードプランも考えられます。
トライアングル完成後ですが、あくまで月足で言及した現在の仮説に基づくならば、トライアングルを上方ブレイクし、(c)波が発動することが考えられます。
トライアングルをブレイクすることで、大きなトレンドが生まれることが想定できるので、そのタイミングになったらポンドクロスの高いボラティリティを生かしてさらに大きな値幅を狙うトレンドフォロートレードも期待することができそうです。
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波動分析
株価指数や為替、コモディティ、仮想通貨の特定の銘柄についての長期波動サイクル分析の記事です。エリオット波動理論をベースとしていますが独自の波動観を取り入れたものになっています。 波動の見方やトレードへ ...
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