チャート分析 トレード戦術

【ダウ理論】トレンド転換に関する2つの考え方

こんにちは、サバイサバイFXです。

今回はダウ理論のトレンド転換についての解説をしていきます。

 

ダウ理論と言えば、チャールズ・ダウ氏によって確立された金融市場における「トレンドとは何か」を言語化した古典理論ですが、実はトレンド転換の考え方には、世界中の投資家・トレーダー・アナリスト・研究者によって異なる2つの主義・主張があります。

この記事では、それらの主義・主張について詳しく解説をしていきます。

 

ダウ理論のトレンド転換の考え方を知りたいという方はもちろん、世界中の投資家・トレーダーが他にどのような視点でトレンド転換を考えているのかを知りたいという方にもオススメの内容です。

 

こんな方にオススメ

  • ダウ理論のトレンド転換の考え方について知りたい
  • 自分以外の投資家・トレーダーが持つ視点を知りたい

 

尚、この記事では全て上昇トレンドから下降トレンドに転換するケースを基に解説していきますが、逆の場合も同様に考えてください。

 

 

ダウ理論のトレンドの考え方

ダウ理論には、「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」というトレンドに関する考え方が存在します。

 

ですが、そのトレンドが転換する条件は何なのか、明確な転換シグナルとは何なのか、といったことに関しては詳しくは述べられていません。

上記の定義を元に様々な解釈が存在するのみです。

以下ではそれらの解釈を解説していきます。

 

 

トレンド転換の捉え方の2種類

1.純粋主義

これは最も早くトレンド転換を捉える考え方です。つまりこの視点でトレンド転換したと判断している投資家・トレーダーがいるということですね。

(ちなみに純粋主義は僕が勝手に命名したものに過ぎません。以下の保守主義も同様です。)

 

以下の概念図を見てください。

 

概念図 (クリックで別ウィンドウ拡大表示)

 

 

純粋主義においては、上昇トレンドにおける直近安値をブレイクした時点で下降トレンドが発生と捉えます。

上昇トレンド = 高値切り上げ、安値切り上げが発生

ですから、直近安値をブレイク(=これを"明確なシグナル"と捉える)した時点で、上昇トレンドは終了ということが確定するわけですが、それをイコール下降トレンドのスタートと捉えているところからトレンド転換を最も早く捉える考え方と言うことができるでしょう。

 

実際の相場では以下に示すように下降トレンドにつながることも、再び上昇トレンドに回帰することもありますが、とにかく直近安値を割り込む、イコール下降トレンドと考えます。

 

 

 

 

保守主義

この考え方が最も一般的なのではないかと思います。

 

概念図 

 

保守主義においては、高値の切り下げ、安値の切り下げの発生を持って上昇トレンドから下降トレンドへ転換したと考えます。

高値1からの下落が安値1を割り込み、安値の切り下げが確定します。

そこから再び上昇しますが、高値1を超えることなく反落し始めます。

 

では高値2が高値1から切り下がったと確定する(つまりは下降トレンド発生が確定する)のはどこでしょうか?

 

それは上図に示したように安値2をブレイクした時です。

 

なぜでしょうか?

それは純粋主義で説明したように、以下のような動きが発生することもあり、高値2が切り下がったかどうか厳密な意味で確定するのは安値2をブレイクした時だからです。

 

 

 

 

実際の相場の動きを見てみましょう。

以下のチャートはユーロドルの2021年1月3日頃の日足です。

 

 

青の折れ線で示したように安値Aをブレイクし、安値Bを形成。

ところがその後の反発で再び高値Aまで上昇し、今度は高値Aをブレイクしてしまっています。

このような動きは往々にして発生するため、安値2をブレイクするまでは高値1から高値2の切り下げは確定しない、すなわち下降トレンド発生も確定しないと考えるのが保守主義の捉え方です。

 

この記事はダウ理論という理論の説明をする記事なので、上記のような厳密な書き方としていますが、実際には高値、安値をどのように判定するかで捉え方は変わります。

興味のある方は以下の記事で詳しく解説していますので合わせて確認してみてください。

 

【ダウ理論】目線付けの二つの方法とTradingView用目線可視化インジケーター

こんにちは、サバイサバイFXです。 この記事ではダウ理論の目線付けの二つの方法を解説するとともに、オンラインチャートプラットフォームであるTradingViewで僕が開発したオリジナルインジケーター「 ...

続きを見る

 

 

さて、いかがでしたでしょうか。

ダウ理論を最近学び始めたという人、すでに十分理解しているという人にとっても、自分とは違う解釈をしている人の考え方を知ることは、チャートを別の視点から見られることにもつながります。

それは主観をできるだけ排除することにもつながりますし、自分とは反対のポジションを取ろうとしている人の心理を読むスキルの獲得にも繋げることができます。(この辺りはまた異なるトピックになるので別の機会に紹介したいと思います。)

ぜひ今回紹介した二つの考え方を元に、自分なりの相場の見方を築き上げてください。

 

 

僕が使っているチャートツールTradingviewはこちら



SABAI SABAI FX ニュースレター

SABAI SABAI FXからのアップデートを不定期でお届けしています。
購読された方にはオリジナルトレードノートテンプレートを提供中。

人気の記事

1

こんにちは、サバイサバイFXです。 今回の記事ではダウ理論の重要な考え方の一つである押し安値と戻り高値をどのように見つけたら良いのか、客観的に判断する方法について解説します。 僕自身もダウ理論を学ぶ中 ...

2

こんにちは、サバイサバイFXです。 この記事では過去の米国株の弱気相場について振り返ってみたいと思います。   2022年5月20日の米国市場ではSP500が一時弱気相場(ベアマーケッ ...

3

こんにちは、サバイサバイFXです。 この記事ではダウ理論の目線付けの二つの方法を解説するとともに、オンラインチャートプラットフォームであるTradingViewで僕が開発したオリジナルインジケーター「 ...

4

コラムと題して様々な金融商品·銘柄の長期エリオット波動分析を投稿している波動分析シリーズ。 これまで色々な金融商品を取り上げてきましたが、為替の中で我らがドル円を取り上げないわけにはい ...

5

こんにちは、サバイサバイFXです。 仮想通貨の冬入りが騒がれていますね。 この投稿では、過去の仮想通貨の”冬”ではどの程度の期間停滞が続いたのか、ビットコインを例に振り返ってみたいと思い ...

6

こんにちは、サバイサバイFXです。 この記事では相場の動きの特徴であるN波動に焦点を当ててみたいと思います。   相場の動きはすべてN字と逆N字に分解することができます。 この視点 ...

7

こんにちは、南国タイでFXトレーディングをしながらサバイサバイな暮らしをしているサンタです。 TradingViewで投稿している相場分析(こちら)の読者の方からエリオット波動の「4波は1波の終点を超 ...

8

こんにちは、サバイサバイFXです。 今回は波動の解説記事として、エリオット波動の5波狙いはなぜ難しいのか? という理由とそのリスクについて解説します。 エリオット波動を使っている人にとっては、1波や3 ...

9

こんにちは、サバイサバイFXです。 今回は、タイトルにもある通り「MACDのゴールデンクロスだけで勝てるのか?」という疑問に対して、30年分のデータを使って検証した結果について共有していきたいと思いま ...

10

今回は波動の見極め方のコツということで、チャートの横軸(時間軸)に注目した波動の特徴について共有したいと思います。 エリオット波動を分析に使われている方であれば、チャートの縦軸(価格軸)に着目し ...

error: Content is protected !!

Copyright© SABAI SABAI FX , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.