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【脱チャートパターン】アセンディングトライアングル・ディセンディングトライアングルの市場心理

こんにちは、サバイサバイFXです。

チャートから市場心理を読み解くシリーズ、今回はアセンディングトライアングル・ディセンディングトライアングルについての考察です。

僕はトレードを始めたての頃に、いろいろなフォーメーションを知る中でこのアセンディングトライアングル・ディセンディングトライアングルのことも知りましたが、結局このパターンが出た時は上に行くんだっけ?下に行くんだっけ?といったように毎回混乱させられ、都度ネットを検索するということを繰り返していたという苦い思い出があります。

今では今回紹介するように、パターンを覚えるのではなく、その値動きの意味や背景を考える癖ができているので当初のように惑わされることもなくなりましたが、この記事に偶然たどり着いた方が、もし過去の僕と同じようにチャートパターンの暗記で違和感を抱いているのであれば、そんなパターン暗記からの脱却の手助けとなればと思います。

 

それでは早速アセンディングトライアングルから解説していきます。

 

アセンディングトライアングルの市場心理考察

アセンディングトライアングルとはその名の通り、上昇(アセンディング)三角の形をしたフォーメーションのことです。三角保ち合いの一種ですね。

以下実際のチャートを見ながら解説をしていきます。

こちらのチャートは豪ドル/円の2020年6月から7月にかけての4時間足です。

 

 

安値が切り上がりつつも、高値は一定のラインを保つことで三角の形が形成されています。

ではなぜこのような形が形成されるのかを考えていきます。

 

安値の切り上がり

三角の下限である安値ラインに着目すると、安値の切り上がりというのは前回より高い価格でも買いたい人が多いということを意味します。

さらに上がると思っているからこそ、前回より高い価格でも買おうとするのであり、それが安値の切り上がりとなって現れます。

同じ状況が続けば、反対勢力の売りを全てこなして価格は上昇する可能性が高いと考えられます。

 

高値は一定

一方の売り側の視点です。

高値ラインが一定であるということは、前回の高値付近までくれば売りたい人が多くなるものの、高値を切り下げるほどの強い売り需要はないということ。

買いの強さに負けていずれは高値ラインを守れなくなる可能性が高いということができます。

つまりアセンディングトライアングルは、買い手の方が優勢な状況が続いており、いずれ上方ブレイクする可能性が高いというのが基本形です。

そして売り手の多くはほぼ間違いなく以下のチャートの赤の破線で示した位置に損切りを置いていることでしょう。

皆さんもこの場面で売りを入れるとしたら損切りは赤の破線付近に置くのではないでしょうか。

 

買い手の優勢な状況が続けば、売りを全てこなしてレートは上昇し、いずれこの損切りラインを超えてきます。

それによって売り手の損切り注文(=買い)が発動して、レートがさらに上昇するという現象に繋がります。

 

この後実際にどういう動きになったのかを見てみましょう。

 

三角の上限をブレイクした後直近高値まで大きく上昇していったことがわかります。

直近高値付近では新たな売り圧力のために一度下落していますが、三角の上限付近で再び反発して上昇していることがわかります。

この三角上限付近での反発については、三角上限付近で売っていた勢力のうち、三角上限のブレイク時には損切りせず、レートが再び上限に戻ってきたことで売りポジションを手仕舞った(=買い)という要素と、三角上限をブレイクしたことで押し目買いを狙う勢力の買いが入ったという二つの要素を考えることができます。

前者について、優秀なトレーダーであればあるほどトレードの根拠が崩れた時の損切りが早いと言われます。一方で、一般大衆というのは損切りができない・遅れるという特徴を持った集団であるので、このようにレートが再び戻ってきた時にようやく、「やれやれ」と損切りするという行動に出るのです。

遅ればせながらも「やれやれ」と損切りできれば、まだ良いですが、レートが戻ってきたことで、また下がるかもしれないとポジションを持ち続けるとどれだけ痛い目を見るか、次のディセンディングトライアングルの事例を見れば明らかでしょう。

 

ディセンディングトライアングの市場心理考察

ディセンディングトライアングルとは、下降(ディセンディング)三角の形をしたフォーメーションのことです。

ここではドルカナダ(USDCAD)を取り上げます。

以下のチャートはドルカナダの2020年5月ごろの日足チャートです。

 

高値が徐々に切り下がり、安値は一定のラインを保った状態となっています。

考え方はアセンディングトライアングルとまったく同じなので、なぜこのようなフォーメーションが形成されるのかを解説します。

 

高値の切り上がり

三角の上限である高値ラインに着目すると、徐々に切り下がっていることがわかります。これは前回より多少安い価格でも良いから売りたい人が多いということを意味します。

基本的に売るときには高い価格で売りたいというのが人間心理ですから、前回の価格より安くても売りたいというのは、そこからさらに下がると思っているからに他なりません。

それが高値の切り下げとなって現れます。

当時はコロナショックを受けてFRBが緊急利下げを行なった後の状態なので、とにかくドルを売りたいという心理が強かったのでしょう。

安値ラインでは買い支えが入ってなんとか一定のラインを保っていますが、同じ状況が続けば、反対勢力である買いを全てこなして価格はさらに下降、つまり下方ブレイクする可能性が高いと考えられます。

 

安値は一定

一方の買い側の視点です。

安値ラインが一定であるということは、前回の安値付近までくれば買いたい人が多くなるものの、安値を切り下げるほどの強い買い需要はないということを示します。

売りの強さに負けていずれは安値ラインを守れなくなる可能性が高いということができます。

つまりディセンディングトライアングルは、売り手の方が優勢な状況が続いており、いずれ下方ブレイクする可能性が高いというのが基本形です。

 

さて、この後どうなったのか、現在までのドルカナダの日足の様子がこちらです。

 

見てわかる通り、ディセンディングトライアングルを1年間に渡ってずっと下降が続いています。値幅にしておよそ1800pips。

もし三角下限を割ったところで損切りできていなければ、今頃恐ろしい損失になっていることでしょう。

 

まとめ

この記事の冒頭で、僕自身が今回紹介したフォーメーションを暗記しようとした時の苦いエピソードについて触れました。

でも今回説明したように、なぜそのような形になるのかを分かればアセンディングトライアングルは上に抜けやすいとか、いちいち覚える必要がないですよね。

チャートを見て、

・すでに買った人、売った人がどんな状態になったらポジションを手仕舞いせざるを得ないか

・これから買いたい人、売りたい人は、どの価格帯になったらポジションを新規で入れてきそうか

という視点で眺めると自ずとトレードすべき場所というのは見えてきます。

 

覚えることというのは極力少ないに越したことはありません。

脳の余計なメモリーを消費することもないですし、なにより原理がわかっているから、どんな形であっても、教科書通りの綺麗な形でなかったとしても自分で考えて結論を出せることにつながります。

 

 

市場心理分析=そう考えることが最も正しいと考えられる推論

答えのない問いに意味や解釈を見出す哲学の世界では、「最善の説明を導く推論」という考え方があるようです。

与えられたデータや証拠(=事実)に対して、それを最も上手く説明できる仮説を選ぶといった推論のやり方です。

 

市場心理分析も同じことです。

その時市場に参加していた人全員にインタビューするわけにもいかないので、あくまでこうやって考えることができるという推論・解釈の一つにすぎません。

(将棋の鑑賞戦のように、「なんで④でロングなんかしたんですか?」「いやー、上昇してるのを見てたらついね、、、」といった市場参加者の声を実際に聞くことができればそれはそれで面白そうです。)

ですが、上のような論理展開とチャートの実際の動き(=事実)が符合することから、上記のような心理が働いてマーケットを動かした可能性が高いと考えることができます。

こう考えるとチャートの動き(=事実)に整合するから、こう考えるのが正しい、という論法ですね。

 

今回お伝えしたかったのは、ダブルトップや三尊といった様々なフォーメーションをただ暗記するのではなく、その背後にはそれをそのように動かした人間の心理があるということを理解すれば、どのようなチャートの形になっても自分の頭で考えて、アクションが取れるようになるということです。

何より、無味乾燥なチャートが、期待、歓喜、失望、恐怖といった人間の感情のるつぼに変化し、分析するのが楽しくなると思います。

僕が使っているチャートツールTradingviewはこちら



 

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