こんにちは、サバイサバイFXです。
株式、為替、コモディティ、仮想通貨などの様々な資産クラスの中から個別銘柄のエリオット波動を考察する波動分析シリーズ。
今回は為替の中からドルカナダを取り上げます。
日本人投資家の中にはあまり取引をしている人がいない通貨ペアかもしれませんが、米国とカナダという隣り合う2つの先進国通貨ペアということで主要ドルストレートペアの一つでもあり、世界で5番目に取引量の多い通貨ペアです。(Statista調べ)
ドルカナダの長期エリオット波動はどのようなものなのか、今後どのような波動が考えられるのかを考察していきたいと思います。
月足
50年スパンで見ると、下限は0.95水準、上限は1.60のレンジで動いていることがわかります。
ドルカナダに関しては1972年より前のデータが拾えていないので何とも言えませんが、他のドルストレートに比べるとレンジ感が強い印象です。
1972年から2002年にかけての上昇5波動(グレー)を、その後の下落を調整3波(グレー)としてプロット。
2011年からは新たな上昇5波動がスタートし(ブラック)、現在はその調整波abc(ブラック)が進行中というのが全体の波動構成の見立てです。
グレーの波に対して、ブラックの波が小さいのが気になるところですが、これは2008年以降の動きが、グレーのa波に孕まれた状態にあるため、波の振幅がa波の高値安値に抑えられて推移していることが原因と考えられます。a波の高値と安値は前述のレンジの上限・下限でもあります。
直近数年間の動きを週足で見ていきます。
週足
2020年2月のコロナショック後は他のドルストレート通貨ペアと同様に一気にドル安トレンドが進みます。
この下落の流れをグレーのABC波として見ます。
グレーのC波終点は2021年6月のFOMCで、金利の先行きを予測するドットチャートに変化が訪れたポイントであり、ここを境にドル高方向に切り返し、現在2022年6月までの動きが続くという状況です。
2021年6月から現在までの動きもパープルで示したようにABC波として捉えます。
注目したいのが、2021年6月以降の値動きです。
確かにドル高方向へ切り返してはいますが、上下への揺り戻しが大きく、どちらかと言えばレンジのような動きです。これは修正波の動きの特徴に一致します。
修正波の特徴については以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
また、ドル高方向に動いているとは言え、コロナショックからの下落波動の半分も戻せていません。
コロナショック以降の一連の動きで捉えればドル高はそれほど進んでいないと言うことができます。
背景には原油価格の高騰に加え、カナダもかなり早いタイミングから金融引き締め方向に舵を切っているため、カナダドルに買いが入りやすい状況があると考えられます。
ここまで見てきた動きの特徴は、現在地が月足上のb波に該当するという仮説と符合します。
話を波動構成に戻すと、週足上は3-3波と推移してきているため、これから5波下降波動が推進して、月足にプロットしたc波を形成していくのではと見ています。
ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、エネルギー価格はさらに上昇するリスクが叫ばれています。
原油の動向はカナダドルには大きな影響を及ぼすため、両者の動向を注視していきたいところです。
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波動分析
株価指数や為替、コモディティ、仮想通貨の特定の銘柄についての長期波動サイクル分析の記事です。エリオット波動理論をベースとしていますが独自の波動観を取り入れたものになっています。 波動の見方やトレードへ ...
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