こんにちは、サバイサバイFXです。
ドル円が126円を突破してきました。
この記事では黒田ラインと呼ばれる125円突破の意味と今後のシナリオについて考えてみたいと思います。
・黒田ライン突破の意味
・今後のシナリオ
黒田ライン突破の意味
2015年、当時ドル円が125.85円をつけた時、黒田日銀総裁が「これ以上の円安は想定していない」と発言したことから、125円水準は黒田ライン/シーリング(天井)と呼ばれています。
それから約7年後の2022年4月、まさにドル円レートが125.85円間際にある時に、黒田総裁は「現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく」と発言。直後にドル円は円安に振れ126円を突破しました。
時を隔てて、同じ総裁が、同じレートで、「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言されたのは非常に大きな意味を持つと見ています。
先月3月28日に125円をつけた直後に3円近くの調整が入ったことを踏まえれば、このラインが警戒されていたことは明らかであり、そんな中で出た上の発言は、(金融緩和継続=為替誘導ではないものの)円売りを仕掛けている勢力から見れば、まだ日銀は出てこない、まだ売れると捉えられるのではないでしょうか。
今後のシナリオ
チャートはドル円の月足です。
仮に4月の月足が125円ブレイクで確定したとすると、月足上の次の節目は心理的節目である130円と2002年高値である135円です。
120円が特に目立った抵抗もなくブレイクされたことを考えると、135円の方がチャート的にもより意識されやすい価格かもしれません。
続いて投機筋のポジションを見ていきたいと思います。
ドル円週足にCFTC投機筋ポジション表示(チャート下部の紫バーが円売りポジション)
注目ポイントは2点。
円ショートポジションは引き続き増加しつつあることと、オープン・インタレスト(未決済建玉,黄色の折れ線)が減少していないことです。
円ショートポジションが増加傾向にある中でオープン・インタレストが減少していないということは、円ショートの利確が入っていないと読むことができます。
これは昨今のドル円の上昇が押し目を作らずに一直線に上がっている動きと整合します。誰も利確しないから下がらないというわけですね。
以上を踏まえると今後も円安は続き、130円や135円を目指す動きが現実的になると見ています。
ただし、前回の記事(以下リンク)でも言及した通り、円ショートポジションのピークアウトによる大きな調整が入ってくる可能性には注意です。
ドル円の転換と円ショートポジションのサイクル
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もう一つ注目すべきは財務省の動向でしょう。
円安阻止のための為替介入の可能性の報道もちらほら出始めていますが、実際に介入するかどうかの判断を行うのは財務省。
127円、128円、130円と節目を次々と超えてくるような展開になれば、それらのタイミングで出てくるであろう財務相や財務官の発言には要注意です。
警戒感から円売りの利益確定で大きく下げる可能性も考えられます。