こんにちは、サバイサバイFXです。
今回の波動分析シリーズはシルバー(銀)を取り上げます。
ゴールドと並んで金属系投資商品の中では人気を誇るシルバーですが、ゴールド以上に高いボラティリティが特徴です。
ゴールドと同様に古くは貨幣として取り扱われていた歴史もあり、また工業需要を中心とした売買も盛んで長い歴史を有しています。
そんなシルバーの長期波動分析を100年単位で振り返りながら、現在まで続く波動サイクルを分析するとともに、今後の動きについて考察します。
まずは年足の確認からです。
年足
過去100年以上に渡った価格の推移を表示した年足です。
価格変動が大きいため、チャートをログスケール表示にしています。
https://www.tradingview.com/x/rvrTCUrm/
1929年に起こった世界恐慌によりシルバーの価格も下落。1932年1月につけた価格が史上最安値となっています。
そこからは第2次世界大戦後の復興需要もあって価格は大きく上昇。1978年にはオイルショックを起因とする先物投資バブルによって当時の史上最高値48ドルをつけています。
その後価格は急落し、1991年1月に3.4ドルをつけるまで下落。そこからは高値・安値を切り上げながら現在まで続く上昇トレンドを形成しています。
年足波動の捉え方ですが、1991年1月の安値(C)以降は高値安値の切り上げが起きていることから、1991年1月以前と以降とで異なる波動サイクルとなっていると捉えています。(チャート下部サイクル1、サイクル2)
また安値(C)はちょうど世紀の変わり目の近くでもあり、ここを境に波動サイクルが新しくなっていると考えるのは理にかなっていると言えるのではないでしょうか。
もう一つの見方として、現在はまだサイクル1の途中、すなわちグレーの上昇5波の調整波を形成中、と捉えることもできますが、上述のように世紀の変わり目を波動サイクルの変わり目と捉えることで、安値(C)以前を「戦前から続く波動」と、「戦後時代が終了し新たにスタートした波動」という意味づけも与えられることから、チャートに示した波動を前提として以下話を進めていきます。
さて、サイクル2の波動に注目すると、3段上げの構図が見られることから、現在はサイクル2の3波目から4波目に位置していると見ることができそうです。
続いて月足波動を確認します。
月足
年足のサイクル2の波動を、過去の主要な経済イベントとともに月足で表示しています。
https://www.tradingview.com/x/4jKTWcAr/
年足の波動サイクル2の起点となった1991年1月の安値(C)以降の動きを見てみると、9.11を起点に、2011年4月に49ドル超えを達成するまでに大きな上昇トレンドを形成していることがわかります。
そしてこの上昇トレンドの中にさらに一回り小さい3段上げ(ブラックのⅠ~Ⅴ)が確認できることから、これを年足Ⅲ波の延長と捉えることができます。
最高値をつけてからは急落となり、2020年のコロナショックで底を打ってから現在まで続く上昇が発生しています。
このことから、コロナショックまでの下落を年足のⅣ波と捉え、現在は年足Ⅴ波を構成する月足の上昇5波(ブラックⅠ〜Ⅴ波)が形成されている局面なのではないかと見ています。
この年足、月足波動に対して週足波動がどのように構成されているかを以下で見ていきます。
週足
年足Ⅴ波を構成する月足の上昇5波(ブラックⅠ〜Ⅴ波)を週足で表示したのが下記です。(ちょうどコロナショック以降の動きに該当する箇所です。)
https://www.tradingview.com/x/1MDS2P4p/
まず、コロナショックからの急騰で5波上昇が確認できます。これは波動の比率から見ても5波が完了したと見てよいでしょう。
つまり、月足の上昇5波(ブラックⅠ〜Ⅴ波)のⅠ波が完了したと捉えられます。
そしてそこからは三角保ち合いでの調整が始まり(これがエリオット波動でいうトライアングルに該当)、三角上限をブレイクして現在に至るという状況です。
トライアングの部分は調整波動ですので、これを月足Ⅱ波とすることができ、現在は月足Ⅲ波に入ったと考えることができます。
そしてそれを構成するのは週足5波動になることが想定されるので、今後コロナショックからの急騰でつけた高値29.86付近を試し、さらには超えていく動きが発動することが波動の観点から推測されます。
ここまでの分析を整理すると、現在地は、
- 年足波動サイクル2における、年足上昇波動の第5波目
- 年足第5波を構成する月足5波動の3波目
- さらにこの月足第3波を構成する週足の1波目
と見ることができます。
ゴールドと同様にシルバーについても貨幣価値が低下するとゴールドやシルバーに資金が流入しやすくなるという特徴があります。
現在市場ではFRBのテーパリング早期化が懸念となっていますが、実際にFRBがテーパリングを早期化するという話がオフィシャルに発表されれば、金融引き締めの観測から利回りの上昇、そしてゴールドやシルバーからの資金の流出ということも十分考えられるシナリオです。
そのタイミングが今回見てきた波動のどこで起こるかはわかりませんが、大きな調整の起点となる可能性もあります。
ゴールド、シルバーの投資をする上では必ず注視しておくべきイベントであると言えるでしょう。
またアップデートがありましたら、更新版の波動分析を載せてみたいと思います。
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【波動分析: GOLD】年足から振り返るゴールドの超長期エリオット波動サイクル
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