こんにちは、サバイサバイFXです。
今回は、エリオット波動の波動カウントのコツとして4波を見つけると波動の全体把握がしやすいというテーマでお話をします。
エリオット波動のカウントに苦手意識を持っている人や、そもそもどうやってカウントしたら良いかわからないという人には参考になると思います。
波動のカウントの目的、4波の特徴、4波を特定できると推進波全体がつかみやすくなる、という順番で解説していきます。
波動のカウントの目的
波のカウントは今相場がどの位置にいるのかという現在地を知り、今後の動きの予測・シナリオを立てるためのものです。
例えば上昇トレンドで、いろいろなカウントのパターンを当てはめてみた結果5波がカウントできるようであれば、トレンドが過熱してきているのでそろそろ調整が始まるかもしれないな、というように今、相場がどの位置にいるのかを確かめるためのツールです。
カウントすること自体が目的のカウントマンにならないように心がけましょう。
また自分のカウントが唯一絶対の正しいものと思い込まずに、相場の動きに応じて都度修正していくくらいの柔軟性を持って臨むことが大切です。
4波の特徴
本題に入る前に、まずは4波の特徴をおさらいです。
4波の特徴
- 複雑化・長期化しやすい
- 深押しする
エリオット波動関連の書籍や文献にはよく書かれていることですが、4波には、
①複雑化・長期化しやすいという特徴と、②深押しするという二つの特徴があります。
一つ目は、三角保ち合い(=>トライアングル)を作ったり、横ばいのレンジを形成したりして方向感のない状態が続くことを言います。価格的にはあまり調整がされずに、時間的調整のみで横ばいが続くというケースもあります。
二つ目は、ケースによっては1波の終点、もしくはそれを下回る位置まで深く押し・戻りを形成することがあるという点です。
「あれ、4波って1波の終点を割らないんじゃなかったっけ?」
と思った方は、エリオット波動理論の理解が十分ではないかもしれません。
推進波には衝撃波とダイアゴナルがあり、それぞれで波の性質は異なります。
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エリオット波動をカウントしていると、今は3波目なのか、それとも5波目なのか、またはすでに推進波は終わって修正波に移行しているのでは?といったような混乱をすることもあるかと思います。
そんな時のコツの一つとして、4波の特徴を踏まえながら今の波動で4波になりそうなところはあるか?という視点で見ると、逆算的に、じゃあここで3波が終了している可能性が高いな、とすると今は5波目かというような捉え方ができるようになります。
4波を見つけられると推進波全体を把握しやすくなる
実際のチャートを例に解説します。
下のチャートはドル円の2021年1月から4月までの4ヶ月間の4時間足チャートです。
わかりやすい、かつ非常に綺麗な上昇トレンドを描いていますが、これがエリオット波動的にどのような波動になっているのかを考えてみましょう。
僕自身はいろいろなパターンを試みた結果、以下のカウントが最もしっくり来るものとなりました。
これを見ると、5波が一番長くて、かつ5波の中にさらに下位の5波(副次波)が構成されていることがわかると思います。
では、なぜこの波動カウントに行き着いたのかというところですが、着目した点の一つが下のチャートの赤と青の二つの丸です。
青と赤の二つの丸は、前述した4波の二つの特徴に合致しています。
青の丸は(1)波終点近くまで深押ししていますよね。さらに赤の丸は横ばい状態がしばらく続いていることが確認できます。
実際、赤丸の箇所は約1ヶ月間調整が続いた場所でした。
さて、これらの特徴を見た結果、おそらくこの二つの場所が4波なのだろうとあたりをつけ、その手前が3波になるだろうと逆算的に考えていったのです。
下のチャートで緑の矢印で示した通りです。
さて、このままだと問題がありますね。
それは3波が2箇所に出て来てしまうということです。
ここでもう一つ考えないといけないのが、エリオット波動の特徴の一つである、
波の一つは延長することがある
というもの。
ならば5波が延長しているのではないかと考え、以下のように5波が副次波5波を伴いながら延長していると捉えたのです。
これだとちょうど赤と青の丸の手前が3波(プライマリーの3波と5波の副次波の3波)に収まりますよね。
上のカウントもあくまで僕の捉え方であり、これが唯一の正解ではありません。きっと他にもカウントの仕方はあるのでしょう。
でも冒頭でもお伝えした通り、波をカウントすることが目的ではありません。
現在地を把握することが目的なのですから、例えば高値(5)まで来た時点で、
延長含めて5波構成がカウントできる状況にまでなったのだから、そろそろ大きめの調整が入るかもしれない
と想定することができますよね。
これがエリオット波動が他のテクニカル分析と異なり、未来を予測することに長けている点だと思います。
実際に高値(5)の後は大きく下落していますよね。
波動を見ている人であれば、この下落もある程度予測できて高値(5)付近からショートできた人はいると思います。
ドル円を監視している人であればわかると思いますが、高値(5)に到達した時点というのはまだまだドル高基調が続いて、今後もドル円は上昇を続け112円以上を目指していくのではという風潮が大きかった場面です。
そんな中でショートをするというのはなかなか勇気がいる行動ではありますが、波動を見ている人であれば何らかの調整は入るだろうからと売り目線に切り替えることも容易だったはずです。
今回紹介したように、4波を特定できれば、3波が決まり、次なる波である5波発動の可能性を見ることができると思います。
将来の値動きのシナリオを立てるにあたってぜひ参考にしてみてください。